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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第168話 別人
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」
こんな圏外、ニュートラル・フィールドでログアウトしても、直ぐに消滅出来るわけではない。魂の抜けたアバターは数分間その場に残り、依然として攻撃の対象になり得るのだ。低確率だが、武器や防具のランダムドロップも発生してしまう。
シノンはこれまでも、ここのスコードロンのリーダーは、撤退・後退を指示するタイミングが早すぎるとは思ったていた。
……だが、まさかこのような自暴自棄、いや子供の癇癪とも言うべき行為。負けそうになったから、ゲーム機の電源を切ろうとする子供の行為と同じ事を提案してくるとは思わなかった。
……シノンは、半ば呆然としてるダインの姿を見ていた。
そして、どうにか呆れた表情を戻しつつ。
「今 ログアウトした所で、逃げられる訳じゃない」
ダインにそう言った。が、その途端に、ダインは歯を剥き出しに喚いた。
「なんだよ、ゲームでマジになんなよ! どっちでも一緒だろうが、どうせ突っ込んでも無駄死にするだけ……」
「なら死ね!!」
反射的に、シノンは叫びを返していた。
「せめて、ゲームの中でくらい、銃口に向かって死んで見せろ!!」
思わずそう言ったシノンだが、その更に内心では『やれやれ、ただの標的としか思ってないはずの男になんでこんなことを言ってるんだろう』と思っていた。だが、間違いなく、このスコードロンとも縁切れとも、頭の片隅で思っていた。
――……男が皆、
あの男
(
・・・
)
の様にはいかないか。
情けないリーダーを見て、シノンは そうも思った。
初めて戦った時、あの男は初心者たちを決して見捨てずに、更にはこちらを全滅させたのだ。
プレイスタイルもそうだ。この世界で同じ女性プレイヤーに出会う確率よりも低いんだろう、と何処か思っていた。
軽く頭を振ると、ダインの迷彩ジャケットの襟首を掴んで無理やり引っ張り上げた。そして、同時にダインの様に弱腰になってしまっている3人に向かって早口でいう。
「3秒で良い、ミニガンの注意を引きつけてくれれば、私がヘカートで始末する」
「……わ、わかった」
緑の髪をゴーグルに垂らしたアタッカーが、つっかえながらもどうにか応え、残り2人も頷いた。
「……よし、二手に分かれて、左右から一斉に出る」
これじゃ一体誰がこのスコードロンのリーダーなのかわからない。
シノンもこれっきりと決めたのに、まとめ役をするとは思わなかった。ダインも、器の違いと言うものや、リーダーの気質の差を感じ取ったのだろうか、あるいは、思い通りにいかない、子供染みたそれ同様に、不貞腐れたのか、顔は、まだしかめっ面だったが、シノンはその腰を押し、掩蔽物の端まで移動した。
そして、左腰からサイドアームであるグ
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