暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第167話 冥界を司る女神
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
・ライフル》の作動方式は 単発式(ボルト・アクション)となっている為、半自動式(セミオートマチック)と違い、連射は出来ない。
 だが、精神を立て直すまでの時間よりは早くへカートUの咆哮を再び起こす事が出来る。

 ボルトハンドルを引いて、金属音と共に、巨大な薬莢を排出させた。

 次に狙うのは勿論、不穏な気配を纏うあの巨漢のマントの男。スコープでその姿を捕えた時、改めて認識した。


――……この男、強い。


 そう認識した。
 その理由が、メンバーの全員が慌てていると言う状況にも関わらず、男は慌てる素振りを全く見せない。そして、そのマスクの下の素顔にある大型のゴーグルの奥からまっすぐシノンを見据えていた。
 どんな状況になっても、対応出来る自信がそのには満ち溢れているかの様だったのだ。

 シノンは、その男に向かってヘカートUを再び撃ち放った。

 この時点で、敵側にはスナイパーの存在を認識出来ている為、その視界の中には《弾道予測線(バレット・ライン)》が薄赤い半透明の光の筋となって表示されているだろう。その一撃は、あの巨体の男をも難なく貫く威力を秘めている。……が、その強靭な精神力を見たシノンは、この一撃が当たらない事はもう判っていた。その予想通り、男は落ち着いた動作で 火を噴き飛んでいくヘカートUの弾丸を躱した。
 そして、通り過ぎ、男の背後にあるコンクリートの壁を削り、いや、抉りとった。

 これ以上は無意味だと、シノンは判断。

「第一目標成功(クリア)。第二目標失敗(フェイル)

 スコープを覗いたまま、口許のレシーバーに囁いた。
 そのヘカートUの無慈悲な咆哮は、仲間達にも聞こえている為、直ぐにダインからの応答はあった。

『了解。 アタック開始。……ゴーゴーゴー!!』

 ダインの叫びと共に、地面を蹴って駆け出していく音が微かに届いた。課せられた任務はこれで終わりだ。だが、シノンはあの男から目を離す事が出来なかった。当初より感じていた違和感。……嫌な感じ。それが杞憂であれば良い、と思うが。

 それは悪い意味で当たる事になった。

「あっ……!!」
 
 シノンは思わず声を漏らしてしまう。
 見張っていた男が、迷彩マントを跳ね上げ、身体から剥ぎ取ったのだ。男の両手には武器はなく、腰にもない。武器は、その広い背中に担がれていた。
 ダイン達は、あれはアイテム運搬用のバックパックだと思っていた物体。それこそが、あの男の武器だったのだ。いや、武器と表現するより、兵器、重器と表現する方がしっくりとくる程の代物。

 現実世界で言えば、軍用ヘリコプターの地上目標に対する制圧射撃用に使われる代物である《GE・M134ミニガン》。勿論、武器カテゴリは重機関銃であり、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ