暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第167話 冥界を司る女神
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強い男が、男達がこの世界へとやってきます。……私よりも強い男達が』
『っ……』

 その男が嘘を言っているようにはまるで見えなかった。
 真剣そのものであり、それは予言ではなく、確信だと思った程だ。

『……まぁ、また何処かで会いましたら、その時は私が受けて立ちましょう』

 笑ったその顔を見て、再び殺意に似た闘志が湧き起こる。

『本当にみてなさいよ! あんたも、そのあんたが認めてる相手も、片っ端から吹っ飛ばしてやるから!』
『ふふ。御健闘を』

 これが2回目の出会いだった。名前も知らない男との。名を聞く事を忘れていたが顔はしっかりと覚えた。目に、脳裏に焼き付けた。

 次こそは、必ず打ち抜くその顔を思い浮かべつつ、ヘカートUを操ってきたのだ。











 そして、場面は地上の戦場へと戻る。

 あの件があり、ヘカートUを手に入れてから、シノンは只管腕を磨いた。
 あの時言っていた 冥界を司る女神の真の意味、ギリシャ神話で出てくる女神から取っていると言う事を知り、改めて、この銃を最初で最後の相棒にしようと、心に決めた。この相棒と共に、幾つもの強者の屍を築き、真の強さを手に入れるために。

 シノンはゆっくりとスコープの中を覗き込む。
 
 標的のパーティーはまだ移動を続けている。そして、高台から確認できる2つの集団の距離が除除に狭まる。2000m以上合った距離も1000mを切り、今では700mまで迫っている。


――……頃合か。


 シノンは再び右眼にスコープを当てて、ダインからの指示を待った。あの距離から考えて、もうそう遠くは無いだろうと確信をしながら。

 そして、その数十秒後、ヘッドセットから雑音交じりの声が聞こえてくる。

『――位置に付いた』
「了解。敵はコース、速度共に変化なし。そちらとの距離400.こちらからは1500」
『1500か。まだ遠いな。いけるか? シノン』
「……問題ない」

 シノンはダインの問いに素っ気無く応じた。

『……よし、狙撃開始』
「了解」

 短いやり取りを交わした後、シノンは口を噤み、右手の人差し指をそっと大きなトリガーガードに添えた。

 狙うはミニミを装備した男。

 確か、以前にもこの男とは一度やり合っている筈だった。
 その時は、スナイパーライフルではなくアサルトライフルを装備し後方支援ではなく、直接支援をしていたからだ。だが、それでも記憶には薄れてしまっている。自分の中での一番大きな記憶、この世界での記憶はあの男との戦いや共闘の時の事であり、そのせいもあってか、殆どどんな相手でも小さく見えてしまうのだ。

 だが、それは慢心と言うべきものだ。

 ……また、あの
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