俺は愛せる? 幻想郷...
式神の力ってすげぇ...
第十九話 少女にはキャンディを
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好きなら兎も角、いや兎も角も何もそれしか考えられないか…
「ご、ごめんな? なんか、邪魔しちゃった…かな?」
この子は人間なのか、妖怪なのかはわからないが。見た感じ子供なのは確かだ。
確か机の中に買ってきた棒付きキャンディが…
一度、少女から離れ、後ろにある机に手をかけ、引き出しを引いた。
無造作に引き出しの中をコロコロ転がるその棒付きキャンディを三本掴み取り、三角座りをしながら今だ俺を凝視する少女の前で膝立ちをする。
「キャンディ…なのはわかるよな? お兄さんが一つやろう。何味がいい?」
一本一本指に挟み、味を見せて行く。
一本はソーダ味、もう一本はプリン味、そして最後の一本は、ロイヤルミルクティー味。ちなみにロイヤルミルクティー味は俺の大好物だ。
流石の少女もこれには少々目が泳いだ。俺を見ていた目は、三本のキャンディに動いたり、また俺を見たりと。
そのまま少し待っていると、少女は覚悟を決めたか、一本のキャンディに手を出した。それも、人差し指と中指の間に挟んだ…ソーダ味に。
棒の部分を摘んでいろんな角度からそのキャンディを見つめている少女は、まるでおもちゃを見つけた猫のようにも見えた。
人差し指、普通より長いと思われる薄ピンクの長細い爪でキャンディの袋をカリカリと掻く姿がまた、猫に見えた。
「…袋取ってあげようか?」
何処と無く愛らしく、微笑みながら手を差し伸べた。
少女は初めて見た、心の底からの俺の笑顔に安心したのか… 素直にキャンディを俺に渡した。ただ単に早くキャンディを食べたいからかもしれないけれど、少女の目が少し優しくなっている。だから、そう思えた。
袋を取ったキャンディを渡すと、少しそのキャンディを眺め、鼻の近くに持って行き、匂いを嗅いだ。
「匂いを嗅いで確かめるのやめなさい」
と?を軟くして言うと、少女が少しビクッと反応した。そんなびっくりすることだっただろうか?
「舐めて確かめてみなさい?」
これまた爪と同じく、普通よりは長い八重歯を見せて、小さい舌をキャンディへ伸ばした。
言わなくてもわかるだろうこの行為。一言で言おう。
「か…可愛い」
これで少しは機嫌が良くなったんじゃないだろうか?
さて、俺はこれから何処で寝れば… っ!? 甘い!?
「なんで!?」
気づけば自分の口の中にソーダの味が広がっていて、鼻で呼吸をするとソーダの風味が…
この味は、先ほど少女にあげたキャンディの味だ。
その少女と言えば、舌をべぇっと出して険しい顔をしている。
苦手だったかぁ……
でもなんで俺の口の中に突っ込むかね… しかも気づかなかったぞ。味が染み渡るまで気づかなかったぞ!
「ほら、あと二本あるよ。お食べ。どっちもあげ
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