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俺が愛した幻想郷
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第十九話 少女にはキャンディを
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洗いっこを存分に楽しみ、風呂から出た後、先ほどまで共に楽しんでいた橙がもう既に居るであろう自分の部屋へ行こうとしていた途中。まぁ長時間風呂に入り遊んでいたら当然とも思うが喉が渇いた。
何か飲み物を、と考えた俺は真っ先に思いついたリビング、そしてキッチンへ向かった。目指すはキッチンの冷蔵庫、っと言うかもう手をかけている。なんせ浴場からリビング、キッチンまでは近いからだ。冷蔵庫はキッチンへ入って直ぐ横にある、これがもう既に手をかけていた理由だ。
そして中身、冷蔵庫の中身だ、冷蔵庫いっぱいに詰め込まれている炭酸清涼飲料水... またの名をサイダー。おお、と感動からの呆気に取られながらも手を突っ込み、ボトルを一つ掴む。
取り出したボトルのキャップを回し、プシッと言う軽快な音を聞いた後に口をつけ、一口、(あお)る。
ピリピリと喉を通る液体が染みる。まして風呂上がり、たまらない。
そして一息吐く。
この量のサイダーは紫が用意してくれたのだろう。よくみればこのサイダー、あっちの世界で俺が好んで飲んでいたやつだ。などと先ほどから一口一口と止まらなくなり三分の二を減らしてしまったボトルをちゃぽちゃぽとならしていると...

「自分の部屋に冷蔵庫欲しい?」

と何処からか...いや、空間のスキマから割り入って出てきた紫が問いかけて来る。
確かに、一々ここまで来るのは疲れる、欲しいことには欲しいが…

「欲しいっちゃ欲しいよ。ここまで来るの大変だし」

片手に持ったペットボトルの中身をチャポチャポと音をたてて揺らしながらそう答えると、

「そう」

その一言と共に紫は空間のスキマに消えていった。口から離していたペットボトルをもう一度口へ運ぼうとしたとき。
ガタン、と少々音を発てて現れたそれを凝視しながら、いそいそとペットボトルの中身を空にした。

「有り難いけど… どうせなら部屋に飛ばして欲しかったな…」

などと文句を言いながら、目の前に置かれた小さな冷蔵庫に手を置いた。
どうせここに置かれたなら、と大きな冷蔵庫からペットボトルを根こそぎ取っていき、小さな冷蔵庫の中に詰め込んだ。そしてもう一度その冷蔵庫に手を置いて……





■■■




長い長い廊下を越え、長い長い階段を越えた俺は、部屋まであと少しのところで止まった。
どうやって寝るか。どうせ今日も俺の布団で橙が寝ている。一緒に入って寝るのでもいいのだけれど… あの子寝相が悪くて、蹴られ引っ掻かれ安心して眠れない。
まぁ、ここで考えていても仕方がないか。そう考えをまとめた俺はドアノブに手を付け、ゆっくりと開けた。
部屋の電気は消えている。

「あれ…?」

橙がいる、ということは部屋の灯りがついているはずなのだ。例え布団の中に
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