第十幕その三
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「平原が多くて」
「山が殆どないの」
「ナターシャのいる場所は特にだね」
「見渡すばかり雪と氷の平原で」
「山がないから」
「それどころかずっと夜だったりお昼だったりする月もあるわ」
「白夜だね」
「オーロラも見えるわ」
「ううん、ブラジルにはないからね」
白夜もオーロラもというのです。
「僕はそっちの方を見たいかな」
「そうなのね」
「この山から見える日の出も確かにいいけれどね」
「オズの国でも見られる場所があると思うわ」
「うん、あるよ」
カエルマンは二人にすぐに答えました。
「じゃあ今度そうした場所にもね」
「行けばいいですね」
「白夜もオーロラもいいよ」
カエルマンは微笑んでカルロスにお話しました。
「ああしたものもね」
「だからですね」
「うん、機会があればね」
冒険をしたその時にです。
「行くといいよ」
「わかりました」
「何でも見るものだよ」
「見てそれが、ですね」
「備わっていくからね」
見聞、それが知識となっていくというのです。
「だからね」
「白夜もオーロラも」
「見るといいよ」
「そうします」
「私はもうこの光景が」
ナターシャは日の出を見つつうっとりとさえしています。
「夢みたいです」
「ナターシャにとってはだね」
「はい」
微笑んでカエルマンに答えました。
「本当に」
「そうなんだね、それじゃあね」
「はい、お日様も出ましたし」
「後はね」
「朝御飯を食べて」
「そしてね」
それからなのでした。
「また出発だよ」
「今日の朝御飯は何でしょうか」
神宝がカエルマンに尋ねました。
「一体」
「うん、今日はお饅頭とね」
「中国のですね」
「それと茶卵だね」
「その二つですか」
「中華風でいこう」
こう言うのでした。
「魔法使いさんもそれでいいかな」
「いいね」
これが魔法使いの返事でした。
「それも」
「じゃあ決まりだね」
「朝御飯もバリエーションがあるとね」
「違うんだよね」
「毎朝同じメニューだと飽きるよ」
「そう、だからこそね」
「今日は神宝のお国でいこう」
魔法使いは神宝も見て言いました。
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