第十幕その二
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「そしてね」
「一日かけて進んでいって」
「明日にはね」
「青龍さんですね」
「あの人のところに行けるよ」
「いよいよですね」
カルロスは青龍に会えると聞いて目を輝かせます。それは女の子達も同じで。
恵梨香がです、ナターシャに言いました。
「オズの国はドラゴンも沢山いるけれど」
「龍はなのね」
「ええ、いると思っていなかったから」
「会えることが楽しみなのね」
「そうなの、龍も格好いいのよ」
東洋の龍もというのです。
「とてもね」
「私も龍の絵は見たことがあるけれど」
「格好いいでしょ」
「そうね、あの龍もね」
「その龍に会えることが」
恵梨香はとても楽しそうなお顔です。
「楽しみよ」
「そうね、それじゃあ」
「行きましょう」
こうお話してでした、皆で。
山を先に先にと進んでいきます、そしてです。
この日は一日山を進んでいきました、ですが皆そんなに苦しんではいませんでした。そうして夜はたっぷりと食べてゆっくりと寝るのでした。
朝起きるとです、神宝は山から出て来た日の出を見てついです。
恵梨香にです、こんなことを言いました。
「これってね」
「これって?」
「初日の出みたいな感じなのかな」
「ううん、そうかしら」
こう神宝に言われてです、恵梨香は。
少し考える感じになって神宝に答えました。
「やっぱり山から出る」
「日本の初日の出ってこうなのかな」
「確かに日本って山が多いから」
「そうなると思うけれど」
「そうなのかしらね」
「ふとそう思ったんだ」
山からお日様が東から出る光景を見てです。
「奇麗だからね」
「うん、確かにね」
ジョージもその山から見えた日の出を見て言います。
「奇麗だね、こうした日の出も」
「そういえば何か」
ここで神宝はこのことにも気付きました。
「オズの国では平原から出る日の出をよく見るかな」
「オズの国にも山は多いけれどね」
「全体的に平原が多いのかな」
「そうかもね」
「少なくとも僕達のこれまで冒険した場所はね」
「山も結構通ったけれどね」
それでもというのです。
「すぐに平原に出てね」
「そこで休むことが多かったから」
だからだというのです。
「それでかな」
「そうかもね」
「山から出る日の出は凄く新鮮ね」
ナターシャはしみじみとした口調でした。
「何かね」
「ああ、ロシアではね」
カルロスがそのナターシャに応えます。
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