暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第165話 現実世界と仮想世界
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粋に皆と楽しみたいからである。リズとシリカからすれば……複雑な想いをする一日になるだろう。結局は楽しかった、という結論になるのはご愛嬌だ。

「……キリトが驚く姿は見てみたい」
「あははっ! やーっぱり、隼人君はSじゃんっ」

 そう言いながら玲奈は隼人の腕をしっかりと取る。

「でも……、女の子、いじめちゃダメだよー」
「も、勿論だ。いじめてるつもり、無い……って言いたいけど。う〜ん……」
「ほどほどが大事なんだよー。(……で、でも 私以外の子にはちょっと)」
「ん? 何か言った?」
「う、ううん! 何でもないよ」

 玲奈はブンブンと頭を振った。
 つまり、この2人の性質は、SとMで相性ぴったり?な様だ。


「でも、本当に楽しかったよー。東京って自然が少ないかな? って何処かでそう思ってて、偏見だったね。動物園だから、って言えばそうかもだけど」
「ああ、確かにそう言う考えをしてしまうのは仕方ない。ここ東京は日本で3番目に面積が狭い都道府県だ。なのに、人口は他を圧倒して1位。それだけ人が集まれば……だよな?」

 隼人は苦笑いをしながらそう言う。それは事実であり、2位に圧倒的に差をつけている。毎年毎年、某有名大学に入学しに来たり、一流企業に入学したり……と際限なく人口は増えているんだ。だから、玲奈の様に思っても仕方がない。だけど、ここ上野もそうだし、23区内だとは思えない程の自然は多い。

「有名な場所で言えば 千代田区にある皇居もそうだし世田谷区の等々力渓谷……。沢山ある」
「あはっ、勿論知ってるよー。だって、世田谷区の宮坂に私の家があるんだもん」
「そうだな。愚問だったな」
「あはは。そんな事ないよ? だって傍で住んでたって、見えない所って結構あるもん! だから、言われないと気づかないみたいなんだよ」
「……成る程」

 隼人は笑って頷いていた。
 近ければ、住んでいれば何でもわかってると思うのは大間違い。外から見たほうがよく判る所だってあるのだ。現に、観光客の人達の方がよく知っている事だってあった。各々と来る前に勉強をしてきたから、との事だった。
 ややショックだったけれど、今では思い出の1つだ。

「自然の中にいると、やっぱり一番思い出すのは22層かなー」

 玲奈は空を仰ぎながらそう言う。場は黄金色に染まっていく。自然の色、緑の色、建物、全て例外なく鮮やかに。

 あの世界は確かに仮想世界。
 情報量を考えたら確かにあの世界の方が劣っているだろう。でも、今は思い出の中に存在するあの家は、この現実にも決して負けていない。色褪せる事はいつまでも無いんだから。

「……オレも同じだよ」

 夕日を見ながら隼人も呟く。隼人の中でも、あの自然の層のログハウス、そして彼処で得
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