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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第165話 現実世界と仮想世界
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っぱい寄ってそう言う玲奈。ほんの一寸の距離にある玲奈の顔を見て、流石の隼人もやや照れた様だ。だけど、直ぐに何時もの様子に戻ると。
「と言っても、オレはそうでもないぞ? あの世界みたいに銀色を全体的に主張してないし、これはフードじゃなくて、帽子だし」
「えー、そう言う時は『そうだね』って言ってよー」
玲奈は小さく唇を尖らせた。でも、直ぐに笑顔になる。
2人はそのまま、腕を組んで歩き始めた。
「玲奈、それよりさっきのだが、間違ってないか?」
隼人は道中でそう聞いた。
「え? あー、うん。聞こえちゃったんだねー。ちょっと恥ずかしいな、独り事言っちゃって」
玲奈は、頭を掻きながら、恥ずかしそうに苦笑いをしながら 俯いた。それを見て隼人は笑い、そして答えた。
「現実世界と仮想世界の違い。それは情報量の多寡。突き詰めればそこに行き着くよ」
「情報量?」
「……ああ。現実に映る光景も仮想で映る光景もそうさ。 膨大すぎる現実世界に仮想世界が追いついていないだけ、とも言えるな。これからどうなるかは判らない。建物も人も生物も。……現実世界では壊れてしまえば、死んでしまえば元には戻らない。……が、茅場の件もあるからな。今後どうなっていくのか,何処まで行くのかは、それだけはオレにも判らないけど」
リュウキの言葉を聞いて玲奈はその言葉の真意を必死で考えるけど、やっぱり リュウキの様に直ぐに理解する事は出来なさそうだった。
茅場晶彦の件は、以前に隼人と和人に聞いたのだ。
脳に大出力のスキャンをかけ、自分自身の全て、記憶・人格、それらをデジタル信号として、ネットワーク内に残すことを試みた。……が、現実世界では彼は死亡したとなっている。否、肉体の死だ。彼の精神が何処へ行ったのか、当時の誰も判らなかった。だけど、彼の行方は隼人と和人が教えてくれた。確かに、彼の精神と会話をしたんだと。
あのALOの世界の頂点で。
「そうだな」
隼人は、考え込んでいる玲奈を見てそっと手をとった。
「え、ええ?」
玲奈は突然手を握られて驚いた様だ。考え込んでいたから、油断をしていたようだ。
「……判るか? 向こうで同じようにこうやって手を握るのと、現実でこうするのとでは、その、やっぱり 違いがあるだろう?」
「え、えっと……」
玲奈は驚きながらも、必死に握ってくれた左手に意識を集中させた。
たった、数秒間の間なのに、膨大な情報量が、頭の中に流れ込んでくる。流れてきすぎて、顔が熱くなってしまう程に。ALO内では、触れ合う掌の弾力、手の暖かさから、冬の冷気を遠ざける温度、そのくらいなら、アバター同士でも十分に感じ取ることはできる。
だけど、やっぱり違う。
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