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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第164話 何よりも安全第一で
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それを菊岡氏はリュウキに聞いてみたかった、リュウキの意見を聞いてみたかったのだ。

「……心不全」
「うん。そうなんだよ。死体の精密検査もしてみたけれど、やっぱり、死後時間が経ちすぎてた、って言う事もあってね。急性心不全としか判らなかったんだ」
「待った」

 リュウキが話を止める様に掌を向けた。

「話によると、その彼はアミュスフィアを付けていた事、そして何日も飲食を忘れてダイブしていた事。……その手の衰弱死事故、悲惨な話だけど珍しい事でも無い。……なのに、手回しが早すぎる事は無いか? 精密検査までしたのは何でだ?」
「うっ……」

 菊岡は、口ごもった。どうやら、何か話していない事がありそうだ。

「……オレには話せない内容がある、って事か? なら 別にオレじゃなくたって……」
「ああっと、そうじゃないんだ。……えっとね、これは綺堂氏に依頼していた事から、判明してね。 ちょっとリュウキ君に言ってもいいものか、って 思っちゃって」
「……爺やの?」

 リュウキは、訝しんだけれど、別段おかしい事じゃないとすぐに判断した。
 綺堂自身も、万能選手だ。一分野に置いて、即ちコンピュータ関連に置いてはリュウキの方が優れているが、綺堂は幅広くなんでもこなす。その技量は果てがないとも言える程だ。
 綺堂が最近していた事をリュウキは思い浮かべたら、すぐに出てきた。

「つまり、ガンゲイル・オンライン(GGO)か?」
「……その通りだよ。 聞いているかい?」
「ああ。ちょっと大きな事件になりそう、って言われた程度だけどね。 成る程 なら彼がゼクシードか」
「その通りだよ」

 菊岡は隠さず答えていた。

 因みに、同僚である《姫萩渚》が個人的に依頼した相手が綺堂氏。
 これまでも、何度か綺堂氏とは仕事のやり取り、依頼のやり取りをしたけれど、信頼をつかみ損なった様だ。同僚の片岡は別だった様だけど。

「はぁ、随分と信頼されてるんだな。日頃の自分の行いを見直したらどう? 爺やは見る目は凄くあるし、その上鋭い。それに各方面の企業でも大分信頼されてるから、パイプが凄いよ。 悪巧みなんかした日には、大変な目に遭うかもな」
「ぅ……。ま、まぁ それはそれとして、ね」

 子は親の背中を見て育つとは言うけど、リュウキの仕事以外でのスキル……と言うか観察眼的なモノは、彼を見て学んだんだとよく判った。自分は引き篭りだったと、言っていたけれど、蓋を開けてみたらところがどっこいだ。


「それで、何で、それがオレに話しにくい?」
「いや、君を差し置いて、綺堂氏に……って思われたかもしれないと思ってね」
「何言ってるんだ。爺やはオレの恩人であり、親であり、師匠でもあるんだ。そんな事思うわけないだろ」
「あ、ああ。そ
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