暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第164話 何よりも安全第一で
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何かを起こそう!と考える異常者は希も希。日々往来している突発的な衝突や金銭目的の犯罪等に比べたら本当に微々たるものなのだ。

「……そうだ。終わりじゃない。実際に微々たる量だと言っても、その1つ起こす事で大事件になったりするんだから。 何らかの対策が必要になってくるのは間違いない。……法規制はまず無理だろうけど」
「ん? 無理かな?」
「当たり前」

 リュウキは、再び紅茶を口に含む。

「この情報化社会において、ネット的に鎖国するなんて事出来ない事は当たり前だ。それに、VRMMOは、回線にかかる負荷だけを見ればかなり軽いコンテンツだから。……だからこそ、国内でいくら取り締まったところで、ユーザーも業者も海外に脱出するだけだ。まぁ、その前に反発が上がると思うけど。一部の異常者のせいで 娯楽の1つを取り上げられるんだ。健全に楽しんでるユーザーなら 大反発だろう」
「う〜む……」

 菊岡は、リュウキの話を聞いて、再び考え込んだ。そして、口を開く。

「リュウキ君は、何でプレイヤー達はPKに走るんだと思う? どんなゲームでもそうだと思うけど、協力し合う事、即ち仲良くする方が楽しいって思うんだけどね、僕は」
「……はぁ、菊岡さんもALOをプレイしてるんだから、少しはわかってきたんじゃないか?そもそも、MMORPGって言うのは奪い合いが前提。数少ない限られたリソースを奪い合うモノだ。逆に聞くけど、ALOに限らず、数多のネットゲームに果てはあると思う?」
「果て?」
「終わりって事だよ。ユーザーが辞める、と言う事を除いたとして、終わりはあると思うか?」
「うーん……、そうだね。一般的には運営している会社が配信を止める以外には無いかな」

 菊岡はそう答えた。実際に、ALOにおいては運営していたレクトプログレスが解散したのに、また新たな運営が出来、続いているんだ。止める意志を持って辞めないと、永遠に続くとも思える。

「そう。基本的に終わりはないんだ。ユーザーがいる限り、ニーズに答える限り、無くならない。そんな無限世界でプレイヤーに向かわせる原動力は何か。運営達が飽きさせない様に、アップデートを繰り返したり、マーケティングを続けたりしてるけど、真は、優越感を求める本能的な衝動、だと思う」
「……へぇ」

 菊岡は眉を上げた。彼から、そんな言葉を聞く事があるとは思わなかったからだ。色々とトップに君臨している彼から。

 リュウキはつづけた。

「これは、ゲームに限った話じゃない。認められたい。人より上に行きたいっていうのは、この社会の基本的構造。……オレ自身、仕事とかゲームとかに関して、別段そこまで……って感じで、特に思った事はないけど。そう思う気持ちについては理解しているつもりだ。そう言うモノなんだと」
「成る程
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