第五章
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「それで銀を飾っている被ってるのはな」
「あれは何ていうんだ?」
「トルゴイン=ボールトだ」
「それがあの帽子の名前か」
「どっちも凄いだろ」
「色々な宝石とか銀とか金も沢山あってな」
「あっちの家も古い家でな」
そのホグニの家もというのだ。
「ああした服があるんだ」
「それでこうした時にか」
「着るんだ」
「そうなんだな」
「ああ、そうだよ」
こう孫に話した。
「凄い服だろ」
「あんな服があるなんてな」
「本当に驚いたな」
「凄いな」
「何しろわし等はモンゴルだ」
モンゴル人であることもだ、ジェベは笑って言った。
「かつてはこの大陸の殆どを制覇したな」
「草原の民だからか」
「ああしたものを持っているんだ」
「そういうことか」
「そうだ、凄いだろう」
「まるで夢みたいだ」
「しかし夢じゃない」
確かな声でだ、ジェベはジュチに告げた。
「そのことはわかっておくんだ」
「わかったよ、じゃあな」
「行って来い」
その結婚式にだ、ジュチは孫をあらためて送り出した。そしてだった。
ジュチはそのこれ以上はないまでに着飾ったホグニのところに来て微笑んでだった、そのうえで言った。
「これからな」
「二人で」
ホグニも笑顔で応えた、そして草原の中で式を挙げてだった。羊肉と馬乳から作った乳製品や酒を楽しんでからだった。二人でゲルに入って二人の生活をはじめた。
ウスニイ=ハブチャール 完
2015・8・27
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