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ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第162話 終わらない冒険
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リュウキは身体を起こし、自身のHPと相手のHPを確認した。もうレッドゾーンに突入しており、後数ドット程度しか残っていない。方や、7本ある敵のHPゲージは全く減っていない。キリトが一撃を入れたと言うのにだ。
相手は、
自動回復
(
バトルフィーリング
)
スキルを持ち合わせていると思える。
そして、クラーケンは余裕がまだまだたっぷりとあるのか、ジワジワとなぶり殺しにしたいのか判らないが、怪しく揺らめいでいた。
「……おにいさんっ」
そんな時だ。傍からユイの声が聞こえてきた。どうやら、あの一撃の衝撃波によって、キリトに捕まっていた筈なのに、弾き飛ばされてしまった様だ。
「……ユイ、大丈夫か」
「はい……、ですが、あのタコさんステータスが高すぎます。新生アインクラッドのフロアボスを遥かに上回る数値です」
「……だろうな。
ALO
(
ここ
)
で こんな衝撃は受けた事がない」
身に受けた衝撃。
そして、ALO内でも屈しの実力者達であるパーティをいとも容易く半壊滅状態まで追いやった惨状。
この状況だけでも、判るものだった。
「9人パーティ×7。レイドの上限で攻めても……ユイの見立てでは無理か?」
「っ……、現状での皆さんのステータス。あの時のパパとお兄さんのステータスをもってしても、難しいと思います」
それは随分と良い情報だな、と苦笑いをするしかなかった。あのSAO時代のステータスをもってしても、倒せないなら、今のステータスでは無理。今のパーティでは雀の涙程のダメージも与えられないと言う事だ。
だけど……。
「正直 無粋な真似はしたくないが……、試したいな。動ける内に」
「っ…! は、はいっ。計算出来ないのは、お兄さんの眼が入ったらです。私には、パターンは視る事が出来ても、的確に弱点は視る事は出来ませんが、お兄さんなら……」
ユイは、リュウキの言葉の意図を察して、肯定した。全てを視通し、攻撃の軌道の全てを視極め、相手の弱点をも視極め、攻撃を受けずに攻撃を続ける事ができれば、勝つ事は可能だろう。
そして、そんな芸当が出来る可能性があるのは、リュウキの《眼》しか ユイは知らないから。
「……なら、やってみるか」
リュウキは、そう言うと眼を見開いた。赤く染まる眼。それは、この世界。新生ALO内では一度も使ってない業。自身の中で禁忌だと定めていた代物だ。
キリト達は、別に不正をしてる訳じゃないから、良いじゃないか。と言っていたがそれでも、アンフェアなのは否めない、と言う思いから 使ってこなかった。だが、未知の強敵を前にして、自分の全てをぶつけて見たいと思う衝動には敵わない様だ。
全てを見透かす瞳は、敵が攻撃をする前に察知する事も出来る。
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