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ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第162話 終わらない冒険
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体が顕になった瞬間だった。
「キリト、オレ達じゃないみたいだ。真の略奪者は」
「……みたいだな。共犯者になるのはゴメンだ」
リュウキはそう言うと、キリトと共に剣を構えた。皆も同じく構えた。
「お断りよ! この卵は、私たちが責任を持って神殿に戻します!」
アスナの返答、そして皆の戦闘態勢。それを見たクラーケンは、その赤く、黒い横筋の入った瞳をぎギョロリと動かすと。
「愚かな羽虫共よ。……ならば、深海の藻屑となるがよい!」
無数の足が怪しくうねる。
「ッ! 来るぞ!」
足の動きを察知したリュウキは一歩前に出た。その巨大な足は、潮の流れさえも変える程の威力を秘めている。足を振り回し、リュウキに強烈な一撃を与えた。
「ぐぁっ! (お、重すぎる……!!)」
ずし、ずし、とリュウキの身体が地面に埋まっていくかの様に、沈んでいく。
「リュウキ!」
「無茶すんじゃねーよ!! 本職はアタッカー、ダメージディーラーだろうが!」
クラインとエギルが、リュウキを支える様に其々の武器を持って押し上げるが、それでも持ち上がらない。
「援護しますっ!」
「うんっ!」
シリカとリーファが支援魔法を唱える。防御力UPの魔法を主に、様々な魔法でバフをかけていくが、それでも押し返せない。
「せいっ!!」
キリトが、隙を付いて炎属性のスキルを使い攻撃を放った。だが、赤い亀裂の様な一撃をその体に与えた筈なのに、あっという間に元どおりの新品に戻ってしまう。
「なにっ!」
「痒いのぉ……!!」
クラーケンは、他の無数の足を使いキリト達に襲いかかった。足、と言うよりは触手と言える様な奇っ怪な動きでキリト達に迫る。
「キリト君っ!!」
アスナが叫ぶが、卵を持ってる自分はどうすることも出来ない。下手に動いて奪われでもすれば全て終わってしまうのだから。
「風の護り歌……!」
レイナの響く歌は、水中だというのに、風の様なものを巻き起こした。それが、キリト達に纏う。風の鎧を身に付けるその効力は、風で受け流され、回避率が上昇するバフ効果が与えられるのだ。だが、その風の鎧をまるで蠅でも払うかの様に、ひと撫ででかき消した。殆どもたなかった様だが、攻撃が当たるまでの時間稼ぎにはなった様だ。
「危ないっ!!」
その隙に、キリトに直撃する筈だった足の攻撃が届く前にリズがキリトを押し倒した。
『ぐぁぁぁ!!』
「きゃああっ!!」
直撃こそ、避けられたが、その衝撃波にも攻撃判定がある様で、衝撃波と共にキリトとリズを含め、壁役になっていたリュウキ、エギル、クラインも吹き飛ばされてしまった。
「……っ、出鱈目な威力だ」
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