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ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第161話 Debriefing vol.5 & クジラに会いたい
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 そして、今回のクエストの件。


 それは先ほどリーファの言葉の中にもあったが、全てユイの為にだった。






2025年 7月24日

〜イグドラシルシティ〜


 遡ること1日前。
 今回、家族皆で団欒〜という感じで、店のカフェ、2Fをまるまる借り切って食事会をしていたのだ。……最近、リュウキの方が仕事の依頼が多数あり、時間がとれていない、と言う理由も多くあって、久しぶりの5人の集合だ。ユイは、それだけでも喜んでくれていた。

「あはは! それでねー?」

 話はSAO時代。あの22層での話だ。

「キリト君ってば、湖の主を見た瞬間ねー、すっごい悲鳴あげたんだよ? 『うぎゃー!』って。それに、その後は逃げちゃったんだ!」
「なっ、そ、そこまでじゃないだろ? 精々……、『ひぃ〜……』位だったはずだ」

 キリトは必死に否定しているが、それを許さない男が1人いる。

「馬鹿言うな。オレが証人、だ。……おまけに、オレ事逃げたじゃないか。現実じゃ、確実に服が破ける勢いで」
「うぐっ……」

 キリトは、そう言われてしまえば、もう何も弁解のしようがない。事実、アスナとレイナは離れてて、すぐそばで絶叫を聞いていたのは、リュウキなのだから。

「お兄さんは、釣りの大会と言うイベントでしたが、装備をもって言ってたんですか?」

 ユイは、ニコニコと笑いながら、リュウキにそう聞いた。
 傍にリュウキがいた以上、そしてキリトに掴まれた、と言っていた以上、その場から逃げ出した、と言う選択はしなかっただろうと推測したのだ。

「いや、持ってなかったな。あの層は、基本的にモンスターはいないから。……む、今思えば先入観に縛られてたな。……反省だ」
「あははっ! でも、私たちはちゃーんと持っていってたじゃんっ!」

 リュウキの傍で笑顔でそう答えるのはレイナだ。そうあの主は、アスナとレイナの2人で仕留めたのだ。

「と言う事は、……お兄さんは、素手で戦いを挑むつもりだった。……ですか?」
「ああ、背を向けるのは、性分じゃなかったから」

 そう聞くユイの表情から、徐々に笑顔が曇りだした。そこまでしっかりと見ていなかったリュウキは頷く。それを聴いて、ユイはぷくっと頬を膨らませた。

「あ、危ないことしないでくださいっ。お姉さんに心配かけちゃダメですよ?」
「ぅ……、そ、それは……」

 ユイの言葉も尤もだ。
 因みに、それはレイナにも言われたのだから。あの戦いのすぐ後で。

「りゅーき君っ!?」
「お兄さんっ!?」
「……すまなかった。以後、気をつけるよ」

 レイナとユイに怒られたリュウキは素直に頭を下げるのだった。それを聴いてアスナは笑う。


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