暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第161話 Debriefing vol.5 & クジラに会いたい
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て覆い隠されてしまい……全て受けた後。

ばっしゃああんっ!

 リズは、豪快に仰向けで倒れた。

「きゅるるっ!!」

 勝利の雄叫びを!と言わんばかりに鳴くピナ。

「おねーさんの仇をとりましたっ!」
「しゃぁー! 流石ピナっ!」

 ユイとシリカがガッツポーズをした、その時だ。

「隙有りだよっ! えーいっ!」

 勝利のポーズを決めているシリカたちの隙を見て、レイナが2人に水をかけた。

「わぷっ!!」
「えっへへ〜油断だよー。今は三つ巴だもんっ! それに、仇討ち? 私死んでないよーぉ! ユイちゃんっ!」
「おねーさんが、リズさんに洗脳された模様ですっ!」
「ピナ〜 もう一回ウォーターブレスっ!」
「わ、わわっ! それはずるいよっ!」

 きゃいきゃいとはしゃぎ回る4人。
 そんな賑やかな集団から少し離れた場所では、リーファが難しそうな顔をしながら、海面を凝視していた。

「ぅぅ……」

 両手をぎゅっと握り締める。そう、元々今日の日の為の泳ぎの練習だ。全てはこの時の為に! リーファは、息を大きく吸い込むと……。

「んっっ!!」

 ぱしゃん!≠ニ音を立てながら、水に顔を付けた。10秒間程、水に顔をつけた後……。

「ぷはぁっ!」

 我慢できなくなったリーファは顔をあげた。以前までは、これだけでも苦痛だったし、出来なかった。だけど、今回は出来たんだ。これは大きな一歩だと、自分の中でそう思った。

「リーファちゃん、昼間の特訓の効果、ありそう?」

 傍で見ていたアスナがそう聞く。現実世界でのリーファ、直葉に泳ぎの直接指導をしたのはアスナだった。云わば先生!の様なものだ。

「あ、はいっ! ばっちりです、もう怖く無いですよっ! ……足が付く深さなら……ですけど」

 最後の言葉が不安を掻き立てるが、怖くないという言葉を聞けただけでもいい。

「良かった。……あ、でも これから行くところは……」

 勿論、その程度ではやっぱり心もとないのは事実である。足が付く深さの海にあるダンジョンじゃないからだ。……それじゃ、海底ダンジョンとは言わないだろう。

「ぅぅ……、そうなんですよね。海底ダンジョンってどの位深いんでしょうか……」

 文字通り、海の底。
 あまり想像したくなかったけれど、今から覚悟を決めておいた方が良い。

「海底、だぞ。浅瀬にはまず無い」

 そんな時、後ろからリュウキがやってきた。一先ず少し遅れた事を侘びに来たつもりだったけど、リーファ達の言葉を聞いて答えていた。

「ぅぅ、わ、分かってるよ。……でも、やっぱり聞きたいって言うか……」
「ん……。リーファは、本当に聞きたいか? ……どれくらいの深さかを」

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