暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第159話 Debriefing vol.3
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様に四角く、血のように赤黒い刃を自身の舌で舐めとりながら、切っ先を一瞬こちら側に向け、そして姿を眩ませた。

――……そう、この時に、あの男を始末していれば、あの様な惨劇は起きなかった。

 そして、後の全面戦争も、起きえなかったんだ。それが、失態だった。だが、如何にリュウキもこれまでに殺人を犯した事はない。戦いの中で、HPをレッド近くまで削ったりはしたが、どうしてもその先まではいけなかった。それは他のメンバーも同じだった。

 この時、撤退をした事は双方にとっても良かった事だった。

 だがPoHや幹部の連中はこの時に理解した。……手を血で染める覚悟の出来ている者はいないのだと。
だが、それでも白銀と漆黒の2人を相手に、他の攻略組の連中も少ないと言う情報はあっても、それなりに無理があったから、撤退をとったのだ。

 これが後に全面戦争をする序章の戦いである。

 そして、次の戦い。

 笑う棺桶が拠点にしているアジトを攻める。作戦を立てて、一網打尽にするつもりだった。全員をふん縛って、監獄エリアに叩き込む為に。

 ……そこで、彼が、大勢のプレイヤーが命を落とす事になった。

 死神(・・)の鎌に致命傷を負わされ、そして……動けなくなった所で他のプレイヤーにトドメをされた。

 魂が四散するその瞬間をリュウキは視てしまった。そのまるで時が止まったかのような刹那の瞬間。リュウキの眼が赤く染まった。これまでよりも、ずっと赤い。
 血よりも赤い色に。

 その姿のまま、笑う棺桶(ラフコフ)のメンバーを屠った。

 無感情に、その命を奪うことを躊躇せずに。

 その姿を見た連中が連想させたのが、《鬼》と言う形容。即ち《竜鬼》と言う異名が生まれた瞬間だった。

「……」

 あまり思い出したくないのは事実だった。だが、その十字架を背負い生きていくのも生き残った者の責務だ。完全に忘れ去る事なんかできる筈もないのだから。

「それに、犯罪者プレイヤーだけじゃなく純粋な剣技を競う決闘でも、オレは何度も苦戦した」

 キリトは、話を変える。
 犯罪者たちの話から、あの男の話へと。当時、二強として上がっていたプレイヤーの名の1つ、血盟騎士団・団長《ヒースクリフ》との決闘だ。
 堅牢な盾を持ち、圧倒的な防御力を誇るユニークスキルは《神聖剣》。キリトの同じユニークスキルである《二刀流》を用いて、渡り合ってはいたものの……その決闘の最中に不可解な現象が起こり、キリトが敗北する事になったのだ。

「その凄腕のプレイヤーの頂点がギルド 血盟騎士団の団長ビースクリフだったんだね?」
「ええ」

 キリトは頷いた。リュウキも同じく。

「それにしても、キリト君は戦ってリュウキ君が戦わなかった理由は
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