暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第159話 Debriefing vol.3
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るであろう速度で、全ての武器を使った有り得ぬ攻撃をする。

 全ての武器を解放し、放つ怒濤の10連撃、《武神覇斬剣》。

 その神技は、ヒースクリフの身体を滅多打ちにし、吹き飛ばした。HPも吹き飛ばした。……筈だったんだ。

 だが……。

 ヒースクリフに、背後から刺された。この世界の神の業で、蘇ったヒースクリフに。

 命の数字であるHPが尽きるその前に、リュウキはレイナに言葉を残した。

『愛してくれて、ありがとう。……レイ、ナ』

 そして、全てをキリトに託したんだ。

『勇者……お前だ。アスナの事、レイナの事……皆のこと、頼んだ……』

 それがリュウキの最後の言葉だった。……その身体は硝子片となって四散したのだ。

 レイナは、涙を流した。

 リュウキが消えてしまい、言葉も無くなり、何も言えなくなった。

 キリトは、アスナの制止も耳に入らない。

 ただただ、親友を殺した相手に、ヒースクリフに憎しみだけを込めて。憎しみだけを込めて、戦った。回りが全く見えず、ただただ獣の様にヒースクリフに向かって行ったんだ。

 そして、そんな状態で、あの男に敵うわけもない。全てのソードスキルを知り尽くした男に、そんな単調な攻撃が通じる筈もないのだ。

 キリトは、猪突猛進のままに、最上位のスキル《ジ・イクリプス》を放った。

 それは、全武器の中でも最も多い連撃、27連撃。一撃一撃に憎しみの全てを込めて。

 だが、それは全て防がれてしまう。
 
 二刀流と言うスキルをデザインしたのは茅場晶彦であるヒースクリフ。絶対に決まった位置に攻撃が来るそのソードスキルは、正に死路だった。

 ヒースクリフがスキル後の硬直を狙い、剣を構えた。

『さらばだ―――キリト君』

 動きの止まったキリトの頭上に高々と掲げられた剣。だが、キリトは狂気の目を崩していない。状況が判っていない。何も出来ずに、死んでしまうと言う状況も、全て判っていなかった。
 ただ、その殺意だけは決して消さなかった。そして響くのは、アスナの声。

『お願いッ!誰か助けてっ!!!!』

 アスナの悲鳴だけだった。レイナは、その時……涙も乾かぬままに、2人の方を見ていた。そして、キリトが斬られる刹那の瞬間、確かにみたんだ。キリトの後ろで、ヒースクリフの剣を防いだ彼の姿が。


――……それは、奇跡……、なのだろうか。


 死んでしまった、消えてしまったと思っていた彼が再びこの場に舞い戻ってきたんだ。キリトの後ろに見える。その姿、まるで黒と白の2つの色が輝きながら、合わさっている。光の様に早く、そして美しい剣技。

《黒と白の交響曲》と呼べるものだろう。

 ヒースクリフを上回る最後の一撃で、
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