暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第158話 Debriefing vol.2
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の剣を差し出した。
『その剣と同等クラスのを頼む』と付け加えて。

 そこからが、リズにとっては最悪の出来事につながっていく。

 キリトが渡した剣エリュシデータは 魔剣と言われる程の性能値を誇っている。魔剣というのは、様々な段階があるが、NPCショップじゃなく、プレイヤーが作る事ができる最高の剣を遥かに上回る剣の総称だ。故に、モンスタードロップでしか入手する事ができない。
 キリトの場合は、このエリュシデータは、50層のフロアボスのLAボーナス品だ。故に、その剣に見合う様な剣にこれまでにお目にかかれてなかった。

 リズは暫く考えたあと、店一番の剣、リズ自身の最高傑作を差し出した。

 ……そして、その剣が折られてしまったのだ。折れた剣は、修復不能と言う無機質なシステムメッセージだけを残し、硝子片となってしまった。

 それを見たリズは、数秒固まって……、青い硝子片になって消滅した所で漸く我に返ると……

『うぎゃああああっ!!』

 っと、思わず悲鳴をあげてしまっていた。


 リズは、そのシーンを再び思い返しながらため息を吐いた。

「いきなり売り物の剣をへし折られて、第一印象最悪だったわよ」

 リズの言葉に妹の直葉としては、やっぱり兄のした事だから、と思い兄の代わりに頭を下げた

「す、すみません……」
「キリトさんも、時々とんでもない事、しますからね?」
「でもそれは悲惨だったね……リズさん。ま、まぁ 当てた方が折れちゃうって思わなかった、って言ってるらしいし、私だって、思えないし。わざとじゃ……ないと思うけど?」
「むむむ……、レイも言ってくれるじゃん。あ〜たしの剣が気に入らないっていうの?今度、メンテ代倍にするわよー」
「ひゃぁっ! そ、そんな事ないですっ! 無いですよっ!」

 レイナは、思わず首をぶんぶんと振った。リズの鍛冶職人として腕はまず間違いなく、あの世界ではNo.1だった。トッププレイヤーの何人もが御用達になっていた事もあるし、アスナとレイナが使用していた武器は、メイドイン・リズベット武具店だったのだから。リズは、にやっと笑うと話を続けた。

「まーそれは冗談としても、その後だって色々あったのよ? ドラゴンの巣穴に落ち込んだり、ドラゴンのンコを投げつけられたり……よーく考えたら、ろくな思い出がないわね」
「ごめんねー、リズ」

 次にアスナが謝った。
 よくよく考えたら、リズの店を紹介したのは自分達だからだ。そのおかげで、大損害を被ったのだから。だけど、リズは苦笑いをして。

「あははは! ま、今となってはいい思い出よ。……それに、大切なもの、あいつから貰ったし」

 リズが更に思い返すのは、あのドラゴンの巣穴の中でキリトの手を握った事だ。ずっと飢え
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