暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第157話 Debriefing vol.1
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カウンセリング室の奥へと足を踏み入れる2人。

そこでは、先ほどの声の主が待っていた。軽くカウンセラー専用の机に手を当てて佇んでいる。白衣を身に纏い、2人を確認するとその綺麗な表情が更に魅力を増した。笑顔をみせるその仕草のひとつひとつに目を奪われてしまう……、とキリトは思わずそう思ってしまった。アスナに色々と言われている筈なのに。苦笑

「……今日は2人で、ですか。珍しいですね」

 そんな中で、強者が1人いた。
 キリトが色々と葛藤をしていると言うのに、直球どストレートで切り込んだのがリュウキだ。……本人はそんな事は考えておらず、ただ単に気になった事をいっただけだ。

 流石は、リュウキくん! と言えるだろう。

 初対面で、レイナを自身の宿泊している場所に泊めた上、あまつさえは風呂を貸したと言うのに、眉一つ動かさなかった男だ。その場所を例の情報屋に目撃されてもなんのその。色んな情報がとんでも、なんのその。

 それは、幼いから?と思えなくもないが。

 因みに、この時アルゴはそんな事はしなかった。したら、どういう事になるか……、身に染みちゃってるからだ。

『黒字≪リュウキに嫌われたくない』

 この時の、そして ずっとアルゴの中にある方程式である。


「何ぼぅっとしてるんだ?早く行けって」
「お、おお」

 リュウキに背中を軽く押されたおかげで、キリトは漸く更に足を踏み出す事が出来た。リズの言うとおり、美人カウンセラーの姿を見てから、固まってしまったのは事実だから。
 
 そして、キリトは更に一歩踏み出す。そこには対面用の机、椅子が用意されていた。

 数は3つ。

 カウンセラーの先生と自分達の3人、だろう。だが、ここで思いもしなかった事が起こる。

 奥側の椅子。カウンセラーの先生が座るであろう席が、近づいたと同時に、動いたのだ。その大きめのオフィスチェアが緩やかに回転し、そしてある男の姿がその席にはあった。見覚えのあるその姿を見た瞬間、キリトは表情を強ばらせた。
 リュウキもやや、ため息を吐いている。2人とも随分と対照的だ。キリトは、『……こいつか』と言っている感じであり。リュウキは、『やれやれ、またか』と言っているかの様だ。

 その男はスーツ姿。

 太い黒縁のメガネに洒落っ気が全くない短髪の髪型。どこにでも居そうな、サラリーマンを思わせるが、この男はこれで国家公務員のキャリア組なのだ。

「やぁ、キリト君、リュウキ君。久しぶりだね」

 色々な事を考察していたコンマ数秒後、男の方から声をかけられた。

「……菊岡さん」
「成る程、今朝、爺やが若干訝しそうな顔をしてたのはこの事だったのか。……納得」

 キリトは男の名を呟き、リュウキ
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