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ソードアート・オンライン〜Another story〜
Extra Edition編
第156話 夏の日差しの下で
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。厳密には、集合……と言うか、カウンセリングの時間に遅れた訳じゃないが、彼が言っているのは15分前行動の事だろう。
「んで、それより……、何が仕方ないんだ? キリト」
「い、いや それはだな? 男なら誰しも美人な先生に目が行く〜と言うか、奪われる〜と言うか」
「き・り・と く〜〜ん……?」
「む〜……りゅーき君にへんなこと、言わないでっ!!」
アスナの重圧はやはり凄まじい。本人は笑顔なのに、笑顔のつもりなのに……、凶悪な何かをそこに見た。
「ん???」
「りゅーき君は良いのっ! 大丈夫だよっ! 知らなくても!!」
「そうなのか。判った」
色々な単語は聞こえてきたが、正直意味を理解するのに時間が掛かり……頭の中でつなぎ合わせている途中で、レイナに荒らされる様に止められてしまった。
キリトはと言うと、アスナの強烈な視線を受けてしまった為、直ぐに否定を!口にチャックをしていた。何処か呆れた様に見ている直葉。……それも仕方がない事だろう。思春期の女の子だし妹だし。
「じゃ、じゃあ! リュウキも来たと言う事で、オレ達はもう行くよ! あ、スグ! せっかく皆が教えてくれるんだから、ちゃんと練習するんだぞ??」
強引に話を終わらそうと、そう言うキリト。呆れてた直葉だったが、流石にそれはそのとおりなので、『は〜い』と返事は返していた。
「ふふ、アルヴヘイムの海に比べたら……ね?」
「そうだよ。プールなんか遊び場。すっごく浅いから、気楽に行こう? 直葉ちゃん」
直葉のかなずち克服談義になったから、その隙にキリトはリュウキを押した。
「りゅ、リュウキ、行くぞ」
「判った判った。まあ、遅れといてなんだが、まだ時間はあるんだぞ?急ぐ理由があるのか?」
「い、いいから!」
「ん?」
ともかく、早々に脱出を、と言う事だ。皆に聞かれないくらいの声でそう言うと、校舎を目指した。
その後ろ姿を見た皆は。
「キリトく〜ん、リュウキく〜ん。また後でね?」
「頑張ってねー」
その声援は良かった。だけど、その後の一言がまた、火種を生みかねない言葉。
「美人の先生によろしくね〜!」
誰の声なのかは、文面からでも判るだろう。勿論リズの声である。
それを聞いたキリトは思わず、ずるっ!っとコケそうになっていた。
「美人の先生……ね。成る程」
リュウキは、皆に応える様に手を振った時、大体察した様だ。
「むーー! 成る程〜じゃないよーー! りゅーきくーん!」
レイナの声が訊こえてくる。どうやら 呟きを訊かれた様だ。……中々に地獄耳である。
リュウキは意味深に微笑むと、そのまま歩いて行った。レイナは、それを見て頬を膨らませるのだった。
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