第二章
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「ちょっとね」
「すぐには出ないか」
「服っていってもね」
一口にだ。
「色々あるから」
「服の種類も増えたな」
「そうなの」
「昔はラオスもこの村もだ」
それこそというのだ。
「ずっと貧しかったからな」
「だからなのね」
「服も粗末なものばかりで持っている数も少なかった」
「そうだったの」
「皆早死で貧しかったんだ」
「昔はそうだったのね」
「だからな」
それで、というのだ。
「金を出せる範囲でだ」
「うん、いい服をなのね」
「言ってみろ、少し待つ」
「わかったわ、それじゃあね」
こうしてだった、チャオルンは十歳のお祝いに服を買ってもらうことになった。それも彼女がいいという服をだ。
だがそう言われるとだ、これがだった。
どんな服がいいのかわからずだ、村の学校で友達に聞いた。
「お祖父ちゃんに十歳のお祝いに服を買ってもらうんだけれど」
「あら、いいじゃない」
「よかったじゃない」
「服買ってもらえるって」
「嬉しいことじゃない」
「それはそうだけれど」
それでもとだ、チャオルンは確かに嬉しいがそれでも困っているというそので友人達にこう言ったのだった。
「具体的にどんな服がいいかっていうと」
「そう言われるとなのね」
「どんな服がいいいか言えない」
「そうなのね」
「そうなの、ドレスとか?」
チャオルンがそう言うとだった、皆はこう返した。
「ドレスなんて買えるの?」
「あれ高いわよ」
「しかも村で売ってないでしょ」
「ああした服は」
テレビで出て来る様なだ。
「お姫様かお金持ちの人が着る服で」
「それか欧州のお金持ちとか」
「そうした人が着る服だから」
「ドレスはね」
「無理よね」
自分でもわかっていてだ、チャオルンも言う。
「ああいう服は」
「流石にね」
「それこそお姫様かお金持ちにならないと」
「ああした服は買えないわよ」
「どう考えてもね」
「そうよね、それじゃあ」
それならとだ、チャオルンはまた言った。
「どんな服がいいかしら」
「それが、よね」
「決めかねてるのね」
「チャオルンとしては」
「ズボンもスカートもね」
どちらの服もというのだ。
「三着ずつ持ってて上着もあって」
「下着もよね」
「困ってないわよね」
「普通の服はあるの」
充分にというのだ。
「だから一張羅欲しいけれど」
「それが、なのね」
「具体的にはなのね」
「ドレスは無理だし」
「だから」
「何がいいかしら」
かなり真剣に考えての言葉だった。
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