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黒魔術師松本沙耶香 魔鏡篇
15部分:第十五章
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 キーで扉を開けてそのうえで中に入る。部屋は最初は暗かったが灯りをつけるとそこに浮き出るようにして全貌が見えた。その部屋は。
 中央に大きな白いベッドがある。左手にガラス越しに浴室が見える。ソファーやテーブルもあるがそれは備え付け程度だ。テレビも同じだ。
 その部屋に入室して暫くするとだ。部屋のチャイムが鳴った。沙耶香はそれを聞くと扉に顔を向けて右手の人差し指を扉に向けて一閃させた。するとであった。
 扉が開く音がして美女が入って来た。茶色のショートの小柄な美女だ。目は細めで少し吊り目である。身体は華奢で細い。青いミニスカートと白いブラウスを着ている。歳は二十程度であろうか。その美女が来たのである。
「時間通りだったわね」
「間に合いました?」
「ええ、丁度いいわ」
 その美女に対して微笑んでの言葉であった。
「来てくれたのはね」
「そうですか。それは何よりです」
 実は沙耶香は携帯は持っていない。魔術で事前に予約したのである。魔術を電話の様にして使ったのだ。そして部屋に入って後は同じであった。そうしたのである。

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