12部分:第十二章
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酒ではね」
「酔うことはないと」
「そうよ、ないのよ」
また言ってみせたのだった。
「楽しむことはあっても酔うことはないのよ」
「お酒ではですか」
「お酒は私にとっては血と同じ」
「血と」
「そう、ワインでも何でもね。血と同じものなのよ」
「だからこそ幾ら飲んでもなのですね」
「そうよ」
そしてだった。またワインを一口飲んだ。グラスの中のそのワインはもうなくなっている。ボトルのワインもだ。それを飲み干したその時にデザートが来た。今度はティラミスだった。
「それで甘いものもまた」
「そうよ。楽しむわ」
実際にその手にスプーンをすぐに取ってだった。ティラミスも食べる。その黒と白のコントラストを為している上品な菓子を食べる。口の中の甘みを楽しみながらそうして言った言葉は。
「私にとっては甘いものも辛いものね」
「どちらも」
「そうよ。そして男性も女性もね」
どちらもだというのだ。退廃そのものの言葉で話していくのであった。
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