暁 〜小説投稿サイト〜
黒魔術師松本沙耶香 魔鏡篇
12部分:第十二章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
酒ではね」
「酔うことはないと」
「そうよ、ないのよ」
 また言ってみせたのだった。
「楽しむことはあっても酔うことはないのよ」
「お酒ではですか」
「お酒は私にとっては血と同じ」
「血と」
「そう、ワインでも何でもね。血と同じものなのよ」
「だからこそ幾ら飲んでもなのですね」
「そうよ」
 そしてだった。またワインを一口飲んだ。グラスの中のそのワインはもうなくなっている。ボトルのワインもだ。それを飲み干したその時にデザートが来た。今度はティラミスだった。
「それで甘いものもまた」
「そうよ。楽しむわ」
 実際にその手にスプーンをすぐに取ってだった。ティラミスも食べる。その黒と白のコントラストを為している上品な菓子を食べる。口の中の甘みを楽しみながらそうして言った言葉は。
「私にとっては甘いものも辛いものね」
「どちらも」
「そうよ。そして男性も女性もね」
 どちらもだというのだ。退廃そのものの言葉で話していくのであった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ