暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第155話 いつか届く、あの城に
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追いついたよ。……それにしても、どこまで登っていくのかと心配したぞ?」
「……ど、どうして此処に?」
「それは、匿名のメッセージを貰ってな?」
「……(リュウキ君)」

 リーファは、直に判った。兄に連絡を取ったのが、彼だと言う事を。

「それに、もうすぐ時間だ。だから迎えに来たよ」
「そう……、ありがと。  ………2人とも」

 リーファはにこりと笑った。最後には、この場にはいない彼にも。

 この世界は、アルヴヘイムだが、これまでとは違う。

 レクトプログレス社から移管された全ゲームデータ、その中には旧ソードアート・オンラインのキャラデータも含まれている。そこで、運営体は元SAOプレイヤーがこの新ALOにアカウントを作成する場合、外見も含めて、キャラクターを引き続かどうか選択もできるようにしたのだ。

 だけど、キリトは以前の外見を復活させることをせずに、このスプリガンの、当初の通りのランダム外見のままにしていたのだ。

 フェンリルと言う姿を纏っているリュウキに関してはまた、別だった。その種族と言うものこそ、イレギュラー。元々の運営が生み出した存在じゃなかった。どこからやってきたのか、誰にも判らない種族だった。 そう、彼ら以外には。

 だから、リュウキはステータスは初期化したものの、姿形はあの世界のモノになっていた。

「ねぇ、お兄ちゃ、……キリト君はなんで他の人たちみたいに、元の姿に戻らなかったの?」
「うーん。……そうだな」

 キリトは、腕を組み、そして何処か遠くを見るように瞳を煙らせた後、薄く微笑みながら答えた。

「あの世界のキリトの役目はもう終わったから、かな。それに、このスプリガンの姿も気に入ってるしな」
「……そっか」

 リーファは、微笑んでいた。《スプリガンの戦士 キリト》と最初に出会い、世界樹にまで旅をしたのは自分。そう思うと、少しだけ、嬉しかったんだ。

 そして、立ったまま、中を移動すると、リーファはキリトの右手を取った。

「ね、キリト君。踊ろう」
「へ?」

 目を丸くするキリトをリーファは引っ張る。最近開発した高等テクニック。……いつか、愛した人と一緒に踊りたいと思っていた。

 優雅な妖精の踊り(フェアリー・ダンス)を。









 そんな2人の事を、見ていた者達がいた。あの夜空の上で優雅に、華麗に空中で踊る姿を目にしていた者達が

「……大丈夫、だよ。リュウキ君。キリト君とリーファちゃんなら」
「そうだな」

 レイナとリュウキの2人だった。

 キリトにメッセージを送った後に、丁度レイナがログインしたのだ。
 少し早めにログインをすると言う事は既に伝えていたから、レイナも早めにログインをし
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