暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第155話 いつか届く、あの城に
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ピード》になれば、もう翅は殆ど畳んで、見えなくなるほどの高速で振動する。


 つい先週の《アルヴヘイム横断レース》では。


 あの初めて 自分についてきた男の子2人とリーファの3人で競い合った。勿論、参加者はその10倍以上はいる。……3人に最終的についてこられた者がいなかったから、3人だけ、と思えてしまったのだ。

 3人のそれは、正にデッドヒートと言える程のものであり、3本のラインが空に刻まれていく。それは、まるで流れ星の様、まさに彗星だ。僅差でリーファが勝ち、そのままキリト、リュウキの順番でゴールに飛び込んでいた。リュウキが悔しそうな顔をするのを見たのは初めてであり、兄のキリトはえもいわれぬ達成感に包まれている様も初めて見た。


――……あの時は楽しかった。


 いろんな初めてな体験をしたリーファは、くすりと笑っていた。

 ただただ、レース目的で走る様に飛ぶのも勿論良い。だけど、1番は頭の中を空っぽにして飛ぶこと。限界の先を目指して加速していく時が一番だ。

「って!! わぁっ!!」

 リーファは、本能のままに、速度を上げ最高速度にまで上げ、飛び続けている先に人影を見た。

 ……レースの事を思い出していた事もあり、頭の中を空っぽにしていた為、前方不注意になってしまった様だ。

 急いで、急ブレーキをしようか、もしくは、躱そうかとあれこれ考えていた時。その後もうほんの先に居たはずの人影が無くなっていた。

「……本当に気持ちがいいな。ずっと空の上を飛び続けられると言うのは」
「って、わぁぁっ!!!」

 気づいたら、いつの間にか並列飛行をしていたのだ。その相手は……。

「どら……リュウキ君!?」
「ああ、さっきぶり、だったな? リーファ」

 そう、リュウキだった。

 リーファは思う。この人は本当にいろんな意味で不思議な人だと。……今の一瞬で、視界から抜けたかと思いきや、いつの間にか隣にいる。そんな感じなのは、何度か経験しており、あの時勝ったのがマグレ、いや手を抜かれたのか?と思ってしまう程だ。

 だが、本人曰く、そんな事は毛頭無く、失礼に当たる事。全力でやった、らしい。

 そう言っても、見てしまえば説得力が無い。が、言葉には説得力はあったし、嘘を言っている様にも見えない、そして何よりもあの悔しそうな顔が演技だと思えない。

「どうしたの? まだ、集まるには早いんじゃない?」
「……現実(リアル)で、無茶苦茶だったから。ここで飛んでいれば、気分も晴れるんじゃないか? って思ってな」
「ふーん。まぁ、気持ちは判るけどね? なら、レイナさんと一緒の方がよかったんじゃない? ……一緒なら、もっと楽しいかもしれないよ」

 リーファは、この時……少し
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