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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第154話 追憶のアインクラッド・レイナ編 《後編》
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〜思い出の丘・頂上〜



『汝らの絆……、我に見せてみよ!』

 美しい声、だが、何処か迫力のある透き通った声が、思い出の丘の頂上に響き渡る。それと同時に、あのプネウマの花が咲く白く輝く岩の上に何かが現れた。鮮やかなエメラルド・グリーンの輝きが、白い岩を染め……そして、姿を表したのは、純白のドレスを羽織った美しい女性が現れた。アスナよりも、長い髪は現れた直後に放ったエメラルド・グリーンと全く同じ色。鮮やかなその髪を靡かせながら、ふわりと岩から降りてくる。

「……?」

 そして、何やらリュウキを凝視しだした。それを見たレイナは、やや頬を膨らませる。

「むー……」

 ……じっと、見てみる。間違いなく美人の部類に入る。少なくとも、ここに来て一番キレイなNPCだと言う事が判る。そして、その容姿に似合うだけの豊満なボディ……、女として、負けている。とさえレイナは思ってしまっていた。それをリュウキが見てて……、すっごく複雑だった。見惚れてるんじゃ?と思ってしまったのだ。……リュウキに限ってそんな事無いと思うけど。


 その女性は、指先、中指と親指をぎゅっと握り合わせると、ぱちんっ!と弾かせた。

 それが合図だった。

 鮮やかな花緑色の光が集結したと同時に、まさに閃光。……比喩ではなく、花緑色の閃光となって、リュウキに襲いかかる。突然の事で、レイナは動けなかった。その緑色の光が、リュウキの身体を貫……。

ひょいっ!
「ん……っ」

 ……かなかった。
 
 恐るべき速度で、放たれた光の矢は、明後日の方へと飛んでいく。そして、輝きは失われ……、消失した。

「……え?」

 レイナは、この時初めてリュウキが撃たれた事に気が付く。緑色の彼女も一瞬だけ、固まって。

『汝らの絆……、我に見せてみよ!』

 先ほどと、一言一句間違えの無いセリフを再び。そして、先ほどと全く同じ動作で……、リュウキに向かって光の矢を放つ……、が。またしてもリュウキに当たらない。これこそ、リュウキの眼の力である。

『汝らのt……』

 殆ど条件反射の様に躱してしまうリュウキ。3度目を躱した所で、リュウキは思い出していた。

「ああ……、そうだよな。これは《体術スキル》習得のクエストと同じ種類のもの、か」
「え? それって、あの無理矢理ヒゲを頬っぺに書いてくる、スケベなお爺さんのクエスト? えっと、2層だったかな? お姉ちゃんと一緒に受けて大変だったよー」
「そう、それだ。……スケベ? か、どうかはオレは知らないが、間違いない。……あれを受けないと、このまま終わらないって事、だな」
「あ、ははは……、リュウキくんが避けちゃうからだねー。ちょっと、こっちから見たら、向こうのNPC格好悪い、
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