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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第154話 追憶のアインクラッド・レイナ編 《後編》
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たかもしれないのだ。でも、物凄い近くで、リュウキを見てしまったから。……キスをする寸前まで言ってしまったから。だから、恥ずかしさもあるから、レイナは正面からリュウキの顔が見れなくなってしまったのだ。
 そして、僅かながら震えている。

「………」

 リュウキは、そんな彼女を見た時。あの時の自分を連想した。震えているレイナを見て、あの時の自分の姿を見たんだ。


――……あの時、立ち直る事が出来たのは、何があったからだった?


 それは、言葉じゃなかった筈だ。目の前の彼女のおかげで、彼女がしてくれたおかげで、自分は心が軽くなったんだ。そして、立ち上がる事が出来た。
 
 だから、リュウキは直ぐに行動に移した。
 
「っ……!!」

 レイナは身体がビクリと震えた。

「……え、……ええっ!?」
「気分が悪かったら、不快なら。オレを、監獄エリアに送ってくれて構わない」

 リュウキは、レイナを後ろから抱きしめたのだ。それは、ぎこちなく、不器用だったけれど。しっかりと彼女を、背中から抱きしめた。包み込む様に、腕を廻して。





 そして、暫くして……、リュウキはレイナを離した。レイナの震えが止まったから。

「あの時、レイナはこうやって、オレの事を、落ち着かせてくれた。オレも、凄く軽くなったんだ。でも、……レイナの様に上手くできたかは、判らないが」
「っ……っっ……!!」

 レイナは、首を左右に振った。

「あ、ありがとう。リュウキ君。暖かかった。……リュウキ君の優しさを感じられた。……本当にありがとう」
「……なら、良かった、よ。」

 ……はっきりと礼を言う事が出きた。







 そして、思い出の丘を後にする際に。

「あ、あぅ……、その……、リュウキ、君。やっぱり、ごめんなさい」

 レイナは どうしても、もう一度言いたくて、頭を下げた。

「ん。オレは謝られる様な事、してないぞ? 感謝はしてもな」

 リュウキはそう言って笑っていた。それがやっぱり辛い。

「(うぅ……じゅ、純粋に想ってくれてるのに、わ、わたしは……っ///)」

 ……安易な判断をしちゃった挙句、勝手にクエストで、盛り上がっちゃって。反省すべき事が多すぎるのだ。

 反省すべき所が多すぎるけれど……。

「今日はありがとう、レイナ」

 やっぱり、好きな人の笑顔を見れた事、そして お礼を言ってくれている事が嬉しかった。



『ふぁいとだよ〜!!』



 もう終わってる筈なのに……、何故だかそんな声が聞こえてくる。レイナは、心の中で『もうっ!!!』っと怒り、現実ではやや頬を膨らませていた。

 因みに、情報が出回っていなかっ
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