1部分:第一章
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はその言葉に微笑んで返した。
「それならば知っていて当然かしら」
「夜が貴女の中にですか」
「それではバカルディを」
「はい」
美女の言葉に頷いてだ。白く少し濁った、それでいて透明さも漂わせたそのカクテルを出してきた。それがバカルディ=カクテルだというのだ。
「どうぞ」
「では」
その白いカクテルを右手に取りそのうえで口に近付ける。そうして飲んでだ。
「いいわね」
「よいのですね」
「ええ、見事よ」
声を微笑まさせての言葉だ。
「日本、それにこの東京では」
「はい」
「多くの美酒が飲めるわ」
その切れ長の目を僅かに細めさせての言葉である。
「そしてこのバカルディもまたね」
「ここで飲めると言って下さるのですね」
「そうよ。まずはバカルディで」
「その次は」
「ファースト=ラブ=シュレップがね」
それだというのだ。
「それがいいわね」
「わかりました。それでは」
「それからは貴女に任せるわ」
今度は口元も笑わせてきた。今も微笑んでいる。
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