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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第153話 追憶のアインクラッド・レイナ編 《前編》
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ラワーガーデン》と呼ばれている層へと足を運んでいた。
別にギルドの仕事があった訳でも、この場所で入手できる素材の為でもない。ただ、レイナは特に意味も無く、時折この場所には足を運んでいるのだ。
円形の広場の十字路を抜け、花で飾られたアーチを潜り、そして更に先へ。現実では、見た事が無い花だが、香りとちょっとした見た目は現実世界で言う紫雲英に似ている。花の色は紅紫と白。その辺りも同じだから、きっとモデルにしたんだろうと、思うのは彼女にとっては難しくなかった。
「すぅぅ……はぁー……」
レイナは 無数の花達の香りを存分に楽しんだ。ディティール・フォーカシング・システムの事は勿論知っている。だけど、もうそんなシステムの事など、ここに来てしまえば、あっという間に消えうせ、本当の、本物の沢山の花に囲まれていると思ってしまう。
「うんっ。やっぱり此処……好きだなぁ」
レイナは、ニコリと笑いながらそうつぶやいた。そして、ちらっと見る場所を変える。 思い切り、深呼吸するのは、勿論周囲に人がいないことを確認してからする。……正直不本意だけれど、自分は、このアインクラッドでは結構有名だから。1人で行動をする時は、結構気にかけてるし もしも 沢山の人に囲まれる様な事があれば……、敏捷値に物を言わせて、即退散するのだ。それなりに鍛えてきた数値だから、自信もある。
それに……確かに慕ってくれるのはうれしいけれど、男性プレイヤーに言い寄られるのは好ましくない。だって……自分は。
「……好きなんだもん。好きな人、できたんだもん」
ぼそり、と呟くレイナ。確かに、以前よりは彼と一緒に話す機会も増えたし、今でもすごく幸せを感じられてしまう。だけど、どんどん欲が出てきてしまうんだ。
もっと話したい。
――……もっと、彼の事聞きたいし、自分の事を知ってもらいたい。
――……もっと、彼に触れたい、……触れられたい。
レイナは、欲張りなのかな?と正直思ってしまう。
でも、それでも。本気で好きになってしまった。……好きに、なってしまったんだ。我慢なんて、出来ないくらいに。
そんな時だった。
「珍しいな。こんな所で」
「っっ!!!!」
思わず、飛び上がりそうになった。口から、心臓が飛び出ちゃいそうな気分だ。動悸が中々収まらず、食べてもいないのに、喉に餅を詰まらせた様にむせてしまう。
「っと……、悪い。驚かせてしまったか?」
レイナの様子に気づいたその男は、二度、三度とレイナの背中を摩る。……血盟騎士団のユニフォーム着の上だったから、そんなにその手を感じる筈も無いのに、なぜか、触ってもらった場所が燃えているかの様に熱いのがよく判った。
レイナは、必死にその猛りを
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