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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第152話 追憶のアインクラッド・リズベット編
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コミについては、スルーする。天の声にツッコミを入れる事程不毛な事は無いのだから……。
リズは、この時自分にかけられた毛布の事に気づいた。触って感触を確かめる。それは、初めて感じる感触で、どう言えば良いだろうか。マシュマロの様にふんわりとしていて、軽いのに 肌触りもサラサラ、ツヤツヤしている。使った事は無いがシルクの毛布の様なイメージが頭の中に浮かんできた。
良い香りもする。
「これ……リュウキが?」
「ああ、室内だし大丈夫だとは思ったんだが 一応、な」
「あ、ぅ……ありがと」
「いや、構わない。リズには世話になっているからな。レイナとの事もそうだし。まだ足りないくらいだよ。……こっちこそ、色々とありがとう」
そう言ってリュウキは笑っていた。キリトの笑顔とはまた一味違う笑み。あどけない笑みは、安らぎを与えてくれる様だった。
「なな、何言ってんのよ! 前にも言ったけど、あたしの方がリュウキから沢山もらってんのよ? この店が繁盛してるのだって、ぶっちゃけ、リュウキの素材のおかげだし! 感謝してるのはあたしの方だって!」
「……なら、オレも何度でも言うが、オレにとってはそれ以上の物がある、って事なんだ。リズの工房にはな。……だが、感謝されたんだ。オレも素直に受け取っておくよ」
……リズは、その笑顔を見てどうしても思ってしまう。そう、あの姉妹についてだ。
姉のアスナはキリト。
妹のレイナはリュウキ。
本当に羨ましい。何度、そう思った事かもう判らない。
でも……それでも。この世界に囚われてる筈なのに……、キリトの事もあったりしたのに。まだまだ諦めてないとは言え、失恋をしてしまっているというのに。
皆と知り合えてから、心安らぐ時間が多い。
この世界に来た当初を考えたら、間違いなく。だから、リズは強く思った。
(……あたしは幸せ者なんだわ。好きな人ができて、最高の友達にも恵まれて……)
例え、第2ラウンドをして報われなくても、自分が過ごしたこの時は何にも変えられない宝物なんだ。リズは、そう思って笑う。
すると、どうやらリュウキには、何か聞こえていた様で。
「ん、どうした?」
そう聞いていた。リズは、その問に笑顔で答える。
「いーえ、何でも無いわ。さ、今日はどうするの? また 色々としてくの?」
「ああ、頼むよ」
「OKOK! ん? そう言えば、ちゃ〜んと、レイには言ってるの? ここに来ること」
「ん、勿論」
「そーぉ。……ふふふ」
リズは、何処かいやらしく笑い始めた。この表情は、何度か見た事がある。
「……悪巧みしてる顔だな、それ」
「へ?」
「程々にしてくれよ? レイナがあたふたして、可愛いと言うのはオレも同感だが」
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