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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第152話 追憶のアインクラッド・リズベット編
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「ちょっと! いちいち想像しないでよっ!(……それに、それって女の子としてどうなのよ)」

 ちょっとキリトのその言葉を聞いて凹んでしまう。女子力……と言う意味では、自分はダメダメだと言う事を自覚しちゃってるからだ。だけど、キリトの話はここで終わりではなかった。

「オレも、……オレ達もリズみたいに努力して、必ずこの世界をクリアしてみせるよ」

 キリトの言う達と言うのは、誰を差しているのだろうか。攻略組の皆?それとも……アスナ?……若しくはリュウキ?それは判らない。キリトも考えて言った訳じゃない。
 リズは、嬉しかった。

「……うん。そうなるようにあたしも頑張るよ」

 思うのはあの時の事。
 キリトに恋をして、そして想い人がいる事知り、涙を流したあの日の事。あの日の約束。キリトに言った。

『お願い。……キリトがこの世界を終わらせて。それまではあたし……頑張れるから』

 そう、言ったんだ。

――……あの時の約束、覚えてくれてるんだね……。

 リズは嬉しかった。

 そして、工房の奥へと戻っていく。

 キリトに渡された剣をメンテナンスしていく。かぁん、かぁん≠ニ言う、ハンマーの独特な音を一定のリズムを奏でられてる。

 キリトは、その音をベンチに座ったまま……それを聞いていた。

(――……なんだか、心地いいリズ……ム……)

 眠気を誘うメロディーの様に脳裏に刷り込まれる。



――……そして、次第にキリトの意識は闇の中へと消えていった。



 そして、更に数十分後。
 全てを終えたのか、リズは慌ててキリトの元へと戻ってきていた。

「見て見て! キリト! これなら、100層のBOSSだってまっぷたつなんだからっ! メンテボーナスもついちゃったみたいっ! あたしのスキル、これって上限超えたんじゃないかってデキ――って、あれ?」

 工房から店内へと続く扉を開けた時に目に入ったキリトの姿。備え付けられたベンチ……、いやソファーにもたれ掛かりながら、口をわずかに開け、瞼を閉じている。一定のリズムの吐息をだしながら……。

「キリトー、出来たよー、起きろーー」

 リズは、キリトの身体を揺さぶったり、頬をぐにぃ と伸ばしたりしているが、全く起きる気配は無かった。

「駄目だコリャ、完全にスイッチOFFにしてる。……ふぅ」

 リズは改めて、キリトの寝顔を眺めた。いつものそれより、遥かに幼く感じる寝顔。生意気なっ!と思う事がある表情もするくせに、今は全くの無防備。

「……今はこんな間抜け面してるのに、最前線で戦ってるんだもんね……」

 頬を何度か突く。そのぷにぷにの肌は、まるで女の子なんじゃないか?と思える程柔らかく心地よい弾力だ。

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