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ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第152話 追憶のアインクラッド・リズベット編
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リと折れてしまうかもって考えたら定期メンテナンスなんて安いもんさ! HAHAHAHA!」

 周囲がどよっ!!っと動揺していた。それはそうだ。戦いの最中だったり、迷宮区、ダンジョンの真っ只中だったりした時に、自身の装備が壊れたりしたら? ……文字通り死活問題だろう。
 だからこそ、周囲もどよめいたのだ。リズにとってみれば、トラウマ以外の何でもない。

「あたしの作った剣がちょっとやそっと、そう簡単に折れるわけないでしょ!! 思い出させないで!!」
「へへ〜ん。リズ……お前リュウキに色々と吹き込んでるだろ? だから、そのお返しだ!」
「むっ……」

 リズはしかめっ面をしていた。確かに、リズはリュウキに愚痴る事が多い。別にそう言う意図があった訳ではないが……。


――……あたしの剣が軽すぎってクレームつけたり。
――……雪山は寒いのが当たり前なのに、精神力の違い〜とか言われたり。


 等々だ。それを聞いたリュウキは、キリトに同じような事を言ったのだ。事、ここの世界でのプレイにおいて、キリトにそこまで言える様な者は、正直あまりいないだろう。
 キリトの腕は超一流だからだ。だけど、その中でも苦言を言える者がいたとしたら……?あの白銀の勇者しかいない。

 だから、結局リズにとってはしてやったりだったのだ。

「へー、そんなのキリトがリュウキに負けなきゃいいだけじゃんっ! あたしはあたしで頑張ってんのー!」
「うぐっ……」

 完全に自分よりも上だと思ってしまっている相手を越えよう!と思うのは当然の事だ。届かない事はない。何れは……と思っている。だが、それ以上に憧れだって持っているのだ。常に前を歩いてもらい……目標であってもらいたい、と。

 そんなこんなしてる時、新たな客が入ってきた。

 以前の武器の発注者だ。

 キリトは、メンテナンスは頼んだから、一先ず後ろに下がった。

「あ、こんにちは! いらっしゃいませ!」
「この間、作成を頼んだ装備のことだけど……」
「ああ、それなら完成してますので、持ってきますね。暫くお待ちください」

 さっきまでの遊び顔は息を潜め、完全に仕事モードに突入している様だ。リズの顔は真剣で、それでいて笑顔だった。

 その後も対応は続く。

 外で待っていた意味がない、とキリトはおもってしまうほどに、客足は途絶えることがない。

「あ、はい! その件ですね……」
「はいっ! こちらの方が宜しいかと!」
「えっとですね……、今の相場はこの辺りになっております」

 対応は続いていく。キリトは、店に備え付けられているベンチに座りながら、リズの仕事ぶりを見ていた。

 そして。

「ありがとうございました! またよろしくお願いしまーす!
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