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逆さの砂時計
遭遇
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た?
 別行動した上で、別人(ロザリア)になってまで、死を望んでいた。

 ……アリアは、レゾネクトから逃げていた?

「その泉の場所は判りますか?」

 精霊さんが肩を震わせた。

「わかる、けど」

 見るからに怯えた表情。
 しかし、念の為に現在アリアが居るかどうかの確認だけはしておきたい。
 元々居たというなら、可能性は低くても(ゼロ)ではない筈だ。
 それに。

「怖いと思う気持ちは分かりますが、貴女をこのまま見捨てるというのは、こちらとしても気分が良い話ではありませんので。遠くからでも確認だけはしてみましょう? どうしてもダメなら引き返しますから」

 精霊さんは、手のひらの上でガタガタと体を震わせ、言葉を失い。
 それでも、ぎこちなく頷いてくれた。

「ベゼドラも、それで良いですか?」
「嫌だ! っつっても、説教で押し切るんだろ。どーせ」

 面倒くさそうに頭を掻きつつ、立ち上がって足に付いた砂を払う。
 ご理解いただけているようで、なによりです。

「案内をよろしくお願いします……って、ああそうだ。私はクロスツェル。連れはベゼドラと申します。貴女のお名前をお聞きしても良いですか?」
「私はリースリンデ。リースで良いわ」
「では私も、クロスで。まずは泉がある方角から教えていただいても?」

 リースは、まだ震えている手で木々を、その向こうを指した。
 国境沿いにある西の森の、更に西を。
 ということは、つまり。

「国外……、ですか……」

 それはちょっと予想外でした。

 ……国を渡る許可、下りるだろうか……?



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