同族
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倒れて朽ちていく時の彼らの苦しそうな表情もまた、脳裏に強くこびりついていた。
「……ふぅ」
「フェイト、大丈夫?」
「うん……大丈夫だよ、姉さん」
「ロキの時はパイルドライバーだったけど、今回は初めて直接アンデッドを倒した訳だしね。辛いのもよくわかるよ……」
「でも……やるしかないから。誰かに任せる訳にはいかないから……」
「フェイト……強がらなくても、一人で背負い込まなくてもいいんだよ。戦いじゃあ私は力を貸す事ぐらいしか出来ないけど、それでも一緒に責任を背負う事は出来るよ」
「姉さん……ありがと」
感謝の言葉を聞いた姉さんは少し照れた表情で笑顔を向けてくれ、私もつられて少しだけ笑い、気が楽になった。もし一人でアンデッドと戦ってたら心が折れる限界まで背負い込んでいたかもしれない……だけど姉さんが一緒にいてくれると、それだけで心があったかくなる。一人じゃないんだって、彼女の存在が教えてくれる。
「あ……そういう事だったんだ……」
「ん? 何がそういう事なの?」
「いや……ジャンゴさんがどうしてアンデッドと戦っていけたのか、その理由がわかった気がしたんだ」
「ああ〜、ジャンゴさんにはおてんこさまが、フェイトには私がいるからね。誰だって傍で支えてくれる存在はやっぱり大切なんだよ、きっと」
「うん。私も同じ考えだよ、姉さん」
でもそれだと、少し気になる事があるんだ。今、お兄ちゃんを傍で支えている人って、誰かいるの……? エレンさんはずっと支えてくれてるけど、今傍にいる訳じゃない。そして地球を出る時は一緒にいたらしいリインフォースも、ユーノの怪我の様子から考えたら……。
「あ、フェイト。通信が来てるよ」
姉さんの言う通り、通信のCALLが来たので出ると、画面にユーノの姿が写った。
『さっきプレシアさんから報告が入ったよ。それとアレクトロ社が迅速に発した緊急連絡で、すぐに避難所などでアンデッドが発生していないか、管理局が厳重に警戒している。二人は発生源に向かったと聞いたけど、そっちは大丈夫?』
「うん、何とか。アンデッドが発生した理由はそっちにも伝わってるよね、これから私達はその転移装置を取り戻す。そのまま本局内部のアンデッドも倒していくから、頃合いを見計らってユーノ達は無限書庫に向かって」
『わかった。くれぐれも油断しないようにね』
「了解。それで……ユーノ、少し尋ねたい事があるんだ」
『いいよ。話せる事ならだけど』
「じゃあ聞くけど……リインフォースは今どこにいるの? 彼女に聞けば、お兄ちゃんの行方もわかるんじゃ?」
『リインフォースは……彼女は今、ラジエルにいる。僕と同様に治療中だ』
「……え!?」
『ニダヴェリール
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