暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第151話 追憶のアインクラッド・シリカ編
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 こんな場所が合った事はリュウキも知らなかったのだ。何より驚くことがこの場所にはあった。

「きゅるっ!」
「きゅるる……」
「きゅる〜」

 その場所に、沢山の《フェザーリドラ》がいたのだ。

(……フェザーリドラは、希少種だ。遭遇率はかなり低い。それがこれだけの数いるなんて、な)

 リュウキ自身も、今回ばかりは、驚きを隠せなかった。そんな沢山のフェザーリドラの中の一匹がこちらへと飛んできた。羽を大きく広げて……、シリカに甘える様に鳴く。

「ピナっ!?」

 シリカは、直ぐに判った。それが、ずっと一緒にいた、《ピナ》だと言う事が。

「ピナ、ピナ……っ。心配、したんだよ。無事で良かったよ……。本当にっ……」
「きゅるるぅぅ……」

 ピナもシリカに会いたかった、と言わんばかりに擦り寄った。鳴きながら、何度も何度も。

 それが合図だった。

 最初こそ、この場に現れた人間を見て 明らかに警戒する素振りを見せていたのだが。

「……警戒が緩んだな」

 ピナが、シリカに懐いているのを見て、危険はない、と判断したのかもしれない。高度なプログラムだ、と思ったが……、合えて、口にはしなかった。それは無粋だと思ったからだ。

「私、こんなにたくさんのフェザーリドラ、初めて見たよ!みんな、ピナのお友達?」
「きゅるっ!」
「………極稀だが 同種のモンスターが固まっている場所あったな。……基本的に野生動物と言う訳じゃない、モンスターはそう言う習性は無いんだが。希にな。……フェザーリドラは存在自体が希少。その上、この現象だから……、もう二度と見られないかもしれないな」

 リュウキは辺りを視渡した。

「人が踏み入った形跡はまるでない。……これだけ、フェザーリドラが落ち着いていられる場所だしな。……オレ達は運が良い」

 そう言って、シリカに笑いかけた。シリカはそれを見て。

「はいっ……、ありがとうございますっ!リュウキさんっ。ほら、ピナもリュウキさんにお礼しよう。」
「きゅるっ!」

 ピナは、頭をリュウキの方へと向けて鳴いた。本当に人の言葉が判って礼を言っている様だった。リュウキはその仕草を見て、思い出した。テイム出来るモンスターの行動種類は10種類程度のもの。
 だが、シリカのピナはそれを遥かに上回っている。

 思いの高さが、システムを、モンスターを成長させているのだろう。主の思いに応える為に。

 だからこそ、ピナはあの時シリカの事を身を呈して守ったんだろう。今なら、そう思えるんだ。

「……さぁ、行こう」
「はいっ! ……あ」

 シリカは戻る前にある事を、ある願いをリュウキに伝えた。

「あ、あの……、リュウキさん。お願いがあるんですけど」

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