暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第151話 追憶のアインクラッド・シリカ編
[5/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ィーだ」
「はい。……す、すみません。ありがとうございます……」

 シリカはおずおずと、そのカップを受け取った。そして、ゆっくりと口に含む。とても良い香りが口の中に広がり……、そして 落ち着ける。そんな感じがした。

「何が合ったんだ? ……ピナがいなくなった、と聞いたが」
「……ごめんなさい。わ、私が悪いんです」

 シリカは、涙を流した。雫となって下へと流れ落ちる。

「リュウキさんに貰った指輪の力を……、私の力だって過信して……、それで、この層のそとの森まで行って……」

 リュウキは、シリカに譲渡した指輪、エメラルド・リングの事を思い出していた。

 あの指輪は、敏捷度(AGI)と防御効果を上昇させる。それも25%の向上だ。

 つまり、現数値が《100》であれば《+25》の数値になる。レベルが上がれば上がるほどにその数値は増していくのがこの装備の強力な所だ。だが、その効果は50層からは変わってくる。《%》と言う単位が《値》となるのだ。

 だから、49層までの力、感覚で来てしまえば……落とし穴となってしまうのだ。

「そこで、モンスターに襲われてしまって……、倒せない相手じゃなかったんですが、HPも減っていて回復アイテムも少なくなってしまってたので、大事を取って逃げる事にしたんです。……ただ、その逃げる際に、ピナとはぐれてしまって……、直ぐに戻って探そうと思ったんですけど……」
「なる程、HPの残が少ないから、一度立て直すために街に戻ってきていたのか」
「は……はい。すみませんっ。わ、私の過信が招いてしまった事、なんですけど……、厚かましいお願いだって、わかってます。で、でも、お願いします……っ、頼れるのは」

 目をぎゅっと閉じて、シリカはリュウキに頼んだ。すると、返答の前に、頭に感触があった。どうやら、頭を撫でられている、様だ。

「シリカ。本当にキミが指輪に過信してるだけだったら、倒せる筈もないんだ。此処はそんなに甘い所じゃない。本当に頑張って、頑張って、50層まで来たんだろう?」
「っ……」

 リュウキの言葉にシリカはびくっと身体を震わせた。キリトとリュウキに出会い、そしてレベルの差を知った。絶対的な壁、住む世界が違うと言う事を思い知ってしまった。

 それでも、キリトはリュウキはそれを否定してくれた。

 ただの数値だと、現実世界で合えば必ず友達になれると。そんな壁なんか無いんだと。

 とても、嬉しかった。暖かい力が沸いてきた。

 シリカは、それから頑張った。
 少しでも、皆の……2人の力になれる様にと。だからこそ、ここまで来ることが出来たんだ。そこには決して過信なんかあるはずも無い。幾ら、シリカがそう言っても、リュウキにはそうとしか思えなかったんだ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ