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異界の王女と人狼の騎士
第三十一話
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れていた佐藤先生は、大きく伸びをしながら歩き去った。

 漆多や他のクラスメートも尋問されるんだろうか。
 警察は事故と事件どちらに傾いているんだろう。……そういや刑事さんは所属を名乗らなかったな。ちゃんと聞いておけばよかった。

 しかし、警察が仮に事件だと気づいても、解決することは不可能だ。やれたとしても、せいぜい冤罪を生み出すだけだ。
 相手は人間じゃない。そんなあり得ないことを警察が信じられるはずがなく、結局適当な容疑者をでっちあげるしか解決策はないんだろう。
 今回の事件に限っては、人間では解決することはできないし、知ることさえできないだろう。

 俺は思った。
 必ず事件にカタをつける。俺自身の力で。
 この事件、いやそんなものじゃない。これはあまりに危険な事なんだ。ただの殺人事件とはレベルが違う。
 漆多も紫音も、他の誰も巻き込むわけにはいかない。これ以上の犠牲者はこりごりだ。
 本気で思っていた。

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