暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第149話 毎日が勉強
[8/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が皆無だな〜』と、互いに言いながら、哀愁を漂せながら……、2人は食堂へと歩いて行っていた。




 隼人は、和人と階段のところで別れ、和人は中庭に、隼人は屋上へと向かっていった。彼等が言う其々の《姫》に会いに行くために。






〜学校 屋上〜


 屋上へと続く最後の階段を上りきり、ゆっくりとその扉を開けた。光が差し込み、身体を包み込んでくれる。今日は雲1つ無い快晴だ。その場所には誰もいなかった。
 どうやら、《姫》はまだ来ていない様だ。

「うん……、良い天気だな」

 隼人は、屋上の中央まで歩いてくると……、腰を下ろした。

 そして、屋上から、この晴天の青空を眺める。
 雲一つない空は、見ているだけでも心を穏やかにしてくれる。元来、空や海の色でもある青と言う色は、気持ちを静めて、心を落ち着かせると言われている色だ。


――……まさにその通り。


 気持ちが、心が穏やかになっていくのがよく判るというものだ。寝転がり、目を瞑ると更に心地良い。暖かい風も身体を吹き抜け、眠気を誘ってくる。

「ふふっ、思い出すなぁ……」

 そんな時だった。入口の方から声が聞こえてきた。

 心地良い空間に、心地良い声。

 隼人は、片目を開いた。

「ね? ね? 思い出さない? この感じっ!」

 ニコニコと笑顔で傍にまで近づいて来る彼女。黒のロングソックスを履いた細い脚で、足早に隼人の傍にまで来た。風が舞い、彼女のブラウンの髪が風に靡いた。
 彼女の姉程は長くはないが、美しく靡くその髪は本当に綺麗だ。

 隼人は、ゆっくりと身体を起こして、考える仕草をした。

「ん……、何かあったか?」
「えー、だって ほら、ほらっ! 青い空っ、気持ちいい風だよっ! ん〜っと、それにね、あ、あの時は、隼人君が木の上で眠っててっ!」

 手振り、口振りで思い出してもらおうと説明をする彼女。それを見て更に考える仕草をするのだが。隼人は首を傾げていた。

「ん〜……そんな事、あったか?」
「うぇっ……! ほ、ほら! 1回だけじゃないんだよ? あの日はさ、私の事 膝枕してくれたじゃんっ! え、ええっと、膝〜じゃなくって、太腿かな? え、えと あう、あうっ……」
「……ふふ」

 思い出してもらうと必死に手振りで言う玲奈を見て微笑む隼人。その顔を見た玲奈は直ぐに察知した。あの世界で何度も何度も見た顔だから。
 だからこそ、頬をぷくっと膨らませた。

「むーーっ! リューキくんっ!!」
「ははは、ごめんごめん」

 隼人は、頬を膨らませながら怒っている玲奈を見て頭を撫でながら宥める。

「もう……リューキくんは直ぐ私をいぢめる〜……」
「ははは。ごめんってば。玲
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ