暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
現実世界
第149話 毎日が勉強
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と言わんばかりにかぶりついた。2度、3度……と噛み締めて味わうこと数秒。直ぐに判る。その香ばしい香りが胃に直撃し、脳へと伝達されたのだから。

「ぁ……、これって……」
「うんっ!そーだよ?思い出した??」
「勿論だ。……74層、迷宮区。玲奈が作ってくれた料理は全部覚えている自信がある」
「そ、それは凄いね? でも、嬉しいよっ! ……これねー、ソースの再現にすごく苦労したんだ。お姉ちゃんと一緒に試行錯誤しながらさ? ……でも、なーんか理不尽だって2人して思ってたよ。現実の味を真似ようとして向こうでもすっごく苦労したのに、それに負けないくらいこっちでも苦労するなんてねー……」
「……ありがとう。美味しいよ」
「えっへへ〜、その顔を見れただけで私は嬉しいよっ リューキくんっ!」


――……今くらいはその名前で呼びたい。

 あの世界で、結婚した時の互いの名前。それを呼び合いたいと思ったからだ。隼人と言う名前も勿論好きだ。だけど、リュウキと言う名前も、玲奈にとってとても重要だから。

 そして、2人で昼食を終えた後。

「ね?リュウキ君。学校のほうはどう? 午後の授業は?」
「ん、そうだな。今日は後2限と言った所だな」
「あは、随分と慣れた感じだね〜? 最初なんか、おっかなびっくりだったのにさ?」
「そうだったな。……今でも毎日が勉強だよ」

 隼人は玲奈の言葉にそう言って笑った。

 元々隼人は、学校に行く必要性は無い。社会復帰はもうしているし、何より彼は就職もある意味ではしている。……が、これは自分自身の希望でもあった事だし、綺堂にも勧められ、万事一致で学校に通う事になったんだ。

 社会に出て、働く為の過程として、学業を収める。筈なのに、これでは順序が逆じゃないか?と回りはある程度思った様だけど……、今までの自分じゃ絶対に学べない物がここにはある。と真剣に言ったら皆が納得した。隼人の事を知っている皆は、笑って納得していた。

「でもね、前は違ったんだよ? 今はELパネルみたいだけど、黒板だったし、書くのもタブレットじゃなくて、ノート。随分と変わったんだ」
「なるほど……。だが、近い内に、PCも使わなくなると思うな。ホログラフィックになる可能性の方が高い。普及しだしたら、大幅なコストダウンになるからな。データ入力の一つで全てが賄えるから」
「あ、それ、お姉ちゃんも言ってる。でも、私はこう言うスタイルがやっぱり良いと想うなぁ……、だって 学校があるおかげで、こうやって会えるんだからさ?」
「ん。……同感だよ」

 隼人は深く頷いた。自宅でいるだけで、九割型仕事をする事が出来る隼人。幼い時の施設も殆ど個人別のもの。だからこそ、この学校の様な施設のありがたさがよく判る。

「お父さんが言うにはね?
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