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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#25 作戦名 骸狩り
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誰かを、何かを、傷つける譜術だけじゃなくて、誰かを救える力も持ってるって事。……それが嬉しくてね。 得体の知れないのが玉に瑕だけど、この際は何でも良いや。って思ってるんだ」

 そう言いながら、アルは苦笑いをしていた。確かに、戦う為には、誰かを守る為には 相手を攻撃したり、防衛したりしないといけないだろう。力がなければ誰も守れないのも、事実だから。 
 
 あのアクゼリュスでの戦いで、アルは痛い程実感した。
 目の前で危険にさらされる大切な人。あの時、力が無ければ、助けられなかっただろうから。
 ジェイドは、そんなアルの言葉を訊いて、穏やかな表情で笑っていた。

「やれやれ……、貴方のようなタイプの人には初めて会いましたよ。 心底お人好しで、その上戦える力があって……」

 そう、しみじみ答えていた。アルは、段々余裕が生まれてきたんだろう。ジェイドの方を見て、少し笑いながら言う。
 
「……気のせいかな? 何だか、かるーく馬鹿にされているような気がするんだけど?」
「はっはっはー! それはきっと気のせいですよ」

 ジェイドは笑っていた。いや、笑って誤魔化していたのがはっきりと判った。それにつられて、アルは苦笑いをする。

「はぁ……、俺もまあ貴方みたいなタイプの人に初めて会いましたよ……。 まあ、数週間分の記憶しかないんだけどね」

 最後には、アルとジェイドの2人、互いに苦笑しあっていたのだった。

 

 そして、数10分後、まず ティアが目を覚ました。

「ん…… あれ……? ここは……」

 ゆっくりと頭を起こし、瞼を開いたティア。そんな彼女に気づいたアルが説明をした。

「おはよう。タルタロスの中にある牢獄らしいよ」
「……えっ!?」

 アルの話を訊いて、ティアは慌てて身体を完全に起こした。そして、周囲を見渡しながら。

「私、どれだけ気絶したのかしら!?」
「ん。……ほんの数10分かな? ねぇジェイド?」
「はい。 それくらいですね。」
「そう……。すみません。私の不手際で……」

 ティアは、自分の不甲斐無さを謝罪してたけれど、あの襲撃は不意打ちに近かった事もあり、更に多人数、手練だった事、様々な事情が重なってしまったから、仕方が無かっただろう。
 その事に関しては、軍の大佐であり、この中では間違いなく一番の大ベテランであるジェイドもそう言っていた程だった。

「あの六神将、って言う人達は、明らかに周りの兵士達とは格が違う雰囲気と、言うか オーラというか…… 初めて会ったんだけど、本当に大変な相手だってことは一目で分かったから仕方が無いと思うよ?」
「そうですね。少なくとも六神将のメンバー、3人確認できましたし、あの程度で済んで良かったと考えてもいいと思い
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