第1章 光をもとめて
第10話 並木の間を歩きながら
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息を吐くユーリと、ずんずんと、大股で進んでゆくランス。 目の前に現れた幽霊は直ぐに姿を消していた。……が、気になったのはあの幽霊の表情だ。
「(……女の子の幽霊、か。気のせいか? オレ達が来て、安堵した様な様子だったが……)」
生きている者を羨み、そして妬み、最後には憎悪に繋がってゆく。それが悪霊が人間を襲う一連の流れでもあるのだ。
だが、今の女の子の佇まう雰囲気と表情は何処か違う様に感じた。
「……やはり、何かありそうだ」
ユーリはそう感じていた。優希の情報もあり、自分自身が得たモノを総合させると この1件に関しては あの連中が黒なのは、明白だった。
だけど、それ以上の何かを感じた。あの優雅な姿の裏に潜む何かを。経験から判ると言うモノだ。特に、悪意に関しては 多少なりとも敏感になる。今回の相手は少し読みにくかったけれど。
「後は、さっきの気配、か」
ユーリは、怪しげな気配を、視線を感じた為 多少威嚇をしたのだ。そして、この場所は室内だ。音も反響しやすく、後を付けてくるのであれば、更に察知しやすくなるだろう。
「コラ、サボるんじゃない!」
ランスは、先に続く扉の前で、怒鳴っていた。それも勿論いつも通りである。
「はいはい」
ユーリはてきとうに返事を返すと、先へと続いていった。
「がははは。可愛い女の子幽霊が悪さしていたら、それはそれで考えモノなのだー」
「………(何でもアリ、か。こいつは。まぁ、ランスだし)」
2人は、そのまま屋敷内を探索し始めた。
やはり、幽霊屋敷と言うだけあり、モンスターも多数潜んでいた。
ハニーをはじめとし、ぬぼぼ、ミートボール……etc 特に問題視する様な相手ではないが、数が多い。
「でぇぇい! らぁぁんす・あたたたぁぁぁっく!!」
ランスは絶好調だ。
キレと重みのある剣技、豪腕を生かした剣技を披露していた。明らかに格下なのだが。
「雑魚相手に、力使いまくってたら、最後までもたないぞ?」
ユーリがため息を吐きつつも、ぬぼぼを始末し終えて、そうランスに忠告した。
「がははは! オレ様をそこらへんの3流と一緒にするんじゃあない。それに、こーんなに、アイテムがあるのだ。使わなきゃ損だと言うものだ」
「オレが買ってきたんだけどな」
「馬鹿者! オレ様のモノはオレ様のモノ、奴隷と下僕のモノもオレ様のモノ、だ。それに、これは貴様が投げよこしたモノではないか。未練がましい」
「ぁ、確かに、そうだったな」
肩に剣を担ぎながら、納得はしていた。傍若無人だから、納得しにくい所もあるが、いい加減なれると言うものだ。……ユーリは、何度、こう想っているか判らない様子だった。
「ぐむ
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