暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第10話 並木の間を歩きながら
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人、ランスが再びこの屋敷へと到着していたのだ。

「……ん? ああ、ランスか、てっきりもう中に入っていると思っていたが」
「馬鹿者、オレ様はもうとっくに、中に入って調査をしてきているのだ! その中間報告を、あの可愛い王女にしてきたばかりなのだ」
「ああ、成る程な。……道にでも迷ったか?」
「誰がだ、アホ!」

 軽口の言い合いをする2人。先ほどまで放っていた殺気も、瞬く間に霧散し、消えゆく。

「さっさと準備しろ。そして、ちゃちゃっと解決するのだー! がははは。大人の男の違いと言うものをみせてやろうではないか!」
「うるさい 一言余計だ」
「がーーっはっはっは! オレ様は普通の事を言っただけだがなー。別に貴様の事を言ったつもりはないぞ〜」
「ぬぐぐぐ、ああ言えばこう言う」

 ユーリは、ムカつきながらも、ため息を吐き。今だにバカ笑いを続けているランスに向かって、買ってきたばかりのアイテムを投げ渡していた。 すこんっ! と言う音と共に、ランスの頭にHIT! 当然 悪態をついてきたが、てきとうに流しつつ、中へと入っていった。

 
 それを上から見ていた女忍者は、心底安堵していた。

「い、位置までは……バレてない? わよね。……」

 動悸が止まらなく、 足が上手く動かない。だが、それも あの男が殺気を消し、屋敷内へと入っていった為、何とかなった。

「……マリス様も、私の直感も、ま、間違ってなかった。正面からは、いや 奇襲でも気づかれる。……気配を殺しきっても、……無理」

 軽く落ち着かせながら、そう考える。だけど、彼女に逃げると言う選択肢は無かった。自分の中で、葛藤を続けていた二択、その答えを出したから。

 『リア様(あの人)の為(リーザス)の為』

 それが彼女が導き出した答えだった。それは、恐らくユーリに感じた力が強大だったからこそ、守らねばと思った事が大きいだろう。

「戦士を止める方法は……、やはり、魔の力を……」

 女忍者は、そう呟くと、軽く手足を動かす。何とか問題無く動かせるのを確認すると、音を限りなく殺し、この場から立ち去っていった。




 妃円屋敷の中へと入っていくユーリとランス。
 
 すると、一瞬 青白い何かが光った。そして、更に一歩踏み出した途端に背中で、扉が派手に閉まる音がした。

「歓迎、してくれている様だな。逃がさないとは」
「がははは! 一度、入ったが、オレ様はふつうに抜け出したがな。幽霊なんぞに、オレ様を止められる訳など、なーい! さ、騒がしい何かがいるなら、さっさとぶっころーす!」
「はぁ、なら最初に来た時に済ませておけよ」
「バカを言うな。貴様に楽をさせてたまるか!」
「……変な所で、ムキになるなよ」

 ため
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