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渦巻く滄海 紅き空 【上】
九十 天才VS秀才
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に向かって突き立てる。自らの骨の上に降り立つ事で、ネジの柔拳の被害を避ける。

たんっと軽く跳躍したネジが上段蹴りを放った。骨刀の上に器用に佇む君麻呂の頭部目掛けての攻撃。その蹴りを、首を僅かに傾げて君麻呂はかわした。蹴り足を掴む。

足を捕らえられたにも拘らず、逆にその状況を利用したネジがぐっと間合いを詰めた。サイドからの突きを察した君麻呂がぱっと手を放す。急に自由となった片足を軸足にして、ネジが回し蹴りを放った。

それを仰け反る事で避けた君麻呂がかわし様に骨刀を地面から引っこ抜く。長い着物の裾を翻しながら、ネジから間合いを取る。


当初と同じ立ち位置で、両者はお互いを睨み据えた。
双方の動きはまるで無駄が無く、戦闘と言うより何処か優雅な舞に見える。どちらもまだまだ余力を残しており、今はまだ小手調べ。
((さて、どうするか…))

天才同士の闘いはまだ始まったばかり。















生き埋めになった次郎坊。

もはや姿すら見えぬ敵が埋まった地面をナルは悲痛な顔で見つめていた。印を解き、地中の影分身達が皆掻き消えたのを確認する。
悲しげな顔で暫し佇んでいた彼女は、やがて振り切るように地を蹴った。

シカマル達の後を追い駆ける。
倒れ伏した木々や押し潰された草花がナルの後ろ姿を見送っていた。



次郎坊の術の名残か、荒々しく露出する土。
誰もいなくなったその場で、ややあって、ボコリ、と音がした。


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