暁 〜小説投稿サイト〜
渦巻く滄海 紅き空 【上】
九十 天才VS秀才
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ。
しかしながら今の今まで木ノ葉からの追っ手が来ていると知っていながら、罠など何一つ無かった。それが今になって仕掛けられている。
この意味が指し示す答えは…―――。

(今更警戒したのか?相手さんの身に何か起こったか、それともこちらの人数が敵の数を上回ったか…)

おそらく後者であろう。情報による音忍の数は五人。その内一人は先にサスケを引き連れて国境へ向かっている。そして最初、シカマル達が実際に眼にした敵の数は四人だ。
(いのによれば、もう一人誰かが潜んでいる可能性もあるが…)

相手の精神に触れたいのは、四人いるはずの敵から五つの心を感じ取った。故にそれを考慮したとしても、残る敵の数がこちらより少ないのは明白。シカマル達のほうに分がある。

「シカマル、待って!!」
思考の渦に囚われていたシカマルは、いのの声にハッと顔を上げた。
見れば、赤丸がトラップの爆発で倒れた大木の下敷きになっている。大きな怪我はしていないようだが、大木から脱け出せない状況に陥っているのが見て取れた。

「赤丸っ!」
真っ先に赤丸を救い出そうと飛び出すキバ。いのもキバに続いて赤丸を助けようと移動する。
シカマルもまた、二人と一匹の許へ向かおうとしたその時。

誰かがすぐ傍を通り過ぎてゆくのを感じた。


「キバ、いの!!」
即座に注意を呼び掛ける。赤丸を助けようと大木の傍で身を屈めていた二人がシカマルの声に振り仰いだ。さっと青褪める。

キバといのの前へ躍り出たのは、追い駆けていた音忍最後の一人…左近。


追っていた対象が逆にこちらを待ち構えていた事に、シカマルはチッと舌打ちした。キバ達を助けようと、立っていた木の枝を蹴る。
刹那、シカマルの視界をドドド…と巨大な大木が遮った。


立て続けに倒れた木々が行く手を遮る。再び発動したトラップに、そこでようやくシカマルは悟った。敵の思惑を。

「よお…相変わらずしけた顔してんな。このへなちょこやろーが」

不意に、聞いた事のある声がシカマルの耳朶を打った。
中忍試験以来のその声音に、シカマルは自身の失態に顔を顰める。
(狙いはこちらの戦力分断か…ッ)


内心悪態を吐くシカマルの視線の先。
サスケと共に国境へ先に向かっていたはずの多由也が口許に笛を据えて佇んでいた。














身を翻す。 

ネジの胴体を蹴って空中で回転。着地様に斬りつける。
斬られる寸前、身を捻ったネジの掌底が君麻呂の足下を狙う。

それを跳躍する事で回避。ふわりと再び君麻呂が宙に浮いた瞬間、ネジは構えた。着地点目掛け、地を蹴る。

それを見越していた君麻呂が手許の骨をくるりと反転させる。落下寸前、刀に見立てたその骨を地面
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ