暁 〜小説投稿サイト〜
僕のお母さんは冥界の女王さまです。
拝啓我が姉妹よ。そなたの愛し子は大きくなったぞ。
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「結構でますね!?」

「可愛い甥を前にして出し惜しむような妾ではない。ーーそれよりも歯を食いしばれ、少し響くぞ」

ルカ目掛け降り下ろした鎌は風の壁によって阻まれた。だがすかさずルカの腹に蹴りをはなった。

「カハッ!?」

空気を吐き出すかねようにルカは妾に蹴り飛ばされた。
追撃をかけようとするがそれはるかの影から飛び出したある獣によって妨げられる。

「流石冥界の皇子! お父上が従えておるならよもやとは思ったがやはりか!!」

その獣は三つある首の一つで鎌に食らい付き己の主を守った。

「地獄の侯爵にして冥界の番人、その意、我が命に応えよ!!」

その獣の名はケルベロス。地獄の侯爵にして、冥界の番犬。冥府より出流魂に襲いかかる冥王ハデスの忠実な僕である。

「冥府に属する妾も罪人と見なしたか!!」

「ケルベロスは僕のお願いを聞いてくれてるだけです!!」

「番犬を連れ出しては叔父上が怒るのではないのか!?」

「問題ありません。了承済みです!!」

ルカの竜巻に冥界の番犬。この事からルカが格闘を得意としないのは分かった。
だが、いささか分が悪い。
全力で迎え撃つとは云った妾だが正直、可愛い甥相手に全力など出せる筈がない。
あとはルカから感じられる見覚えのありすぎる気配が妾に接近戦を躊躇させていた。
あぁ、あれほど可愛かったルカが妾に死の緊張感を味合わせてくる。コレーよ、あなたの愛し子は大きく、逞しく、そして力強く育っているぞ。

「此れほどまでに逞しく育っているとは妾は嬉しいぞ! 妾の婿にしてもいいくらいだ!!」

「あ、すみません。僕にはもう妃がいます」














なん・・・だと。









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