始まりと終わりの地
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はやはり「なんだ、そりゃ」。
「どうやら、私だけが招かれたみたいです。詳しくは後ほど説明しますが、この場所にアリアを連れて来て、と頼まれてしまいました」
「はあ? アイツを捜してんのは俺らだっつーの」
宝石を袋に戻してポケットにしまい、本を片手に起き上がる。
「ええ。それに、神代に生きていた方々は、どうしても私達を世界の命運と関わらせたいらしい」
アリアを助けて、ならともかく。
世界を助けて、と言われても、自分達には結構な難題だと思うのだが。
苦笑いしか出てこない。
「世界なんぞ知らん。邪魔すんなら、ぶっ壊す!」
「まあ、そうですよね」
立ち上がり、服に付いた砂を払う。
さて、これからどうするべきか。
アリアの情報自体は少しずつ集まってきているが。
手掛かりと呼ぶには、少々頼りないものばかり。
ルグレットさんの件を考えても、『村』の捜索だけでは不足のようだし。
ただ……
「あ、そうだ。ベゼドラにお願いがあるのですが」
「あ?」
にこっと笑って告げた内容に、ベゼドラは少しだけ目を見開いて。
それから、うんざりした表情を返してくれた。
「くっそ面倒くせぇことばっか考えやがって」
「貴方にも利はあるでしょう? 手間が減って、おまけも付くんですから」
「どっこいどっこいだっての。……ったく……面倒くせぇな」
「とりあえず、今後は居住地の規模にこだわらず、アリア信仰の古い教会を中心に探してみませんか? 貴方もそうでしたが、ルグレットさんも、他の悪魔も、比較的古い教会に封印されていましたし。可能性ですが、また別の悪魔が封印されているかも知れません。貴方と同じように目覚めていれば、そこにアリアが現れるかも」
「あー……んじゃ、それで」
歌も宝石も本も、現在のアリアとは、結びついていなかった。
他に良案が出てこない以上、これが現状での最善策だ。
「行きましょう」
アリアが何かにこだわった地。
『アリアを知る何者か』の意志が、彼女の訪れを待ち続けている場所。
いずれまた訪れることになるかも知れないと思いながら。
自分達は、その場から立ち去った。
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