始まりと終わりの地
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か。
「ベ、…………っ!」
ベゼドラが地面を蹴った勢いで、凄まじい突風に顔を殴られ。
せっかく思いついた言葉も喉の奥に押し込まれた。
コートがバタバタと忙しく波打ち、数秒の夜間飛行を経た後。
樹木が繁る山の中腹へ向かって急降下する。
適当な枝に着地したと思ったら、反動を利用して、また跳ね上がって。
それを、何度かくり返す。
レゾネクトから逃げた時と違い、世界の時間が動いているからだろう。
着地時の衝撃は枝のしなりに吸収されて、あの時ほど大きく感じない。
しかし、一蹴りの高度と距離が桁違いだ。
どちらも二倍……までいかなくても、それくらいは跳んでる気がする。
人間の力では決して体験できない、スリル満点の走り高跳び。
これはこれで、慣れれば楽しいかも知れない。慣れれば。
「体力無し」
「……否定はしません……」
目的地に着いた瞬間、地面に膝を落としてしまった。
悪魔の跳躍は、移動手段の自由度と時間短縮の面でこの上なく便利だが。
大気が動いている分、体に感じる風圧と揺れが凄まじい。
ベゼドラ酔いとでも言うべきか、降りた後も、頭と地面がぐらぐらする。
あまりに高い所では寒くて息苦しくなるのだと、人生で初めて体感した。
「あれだ」
自分達の数歩前に着地したルグレットさんが。
広大な面積に散らばっている瓦礫の山を指し示す。
この場所が廃墟となってから、どれほどの歳月が経過したのだろう。
地面が剥き出しになっている所だけでなく、かつて屋内だったと思われる場所にも点々と、幹が太くて背も高い、立派な木々が伸びている。
「アリアは、あの瓦礫の中心にある石床の上に立っていた。この辺り一帯をくまなく探せば、畑仕事の道具一つくらいは見つかるかもな」
「? 畑仕事?」
ルグレットさんは地面を蹴って、近くの木の上に飛び乗り。
自分達に背を向け、
「俺はここまでだ。せいぜい頑張るんだな」
そのまま、街へと引き返していった。
ああ、お礼を言い損ねてしまった。
自分達に感謝されても嬉しくはないか。
「何か、アリアに関する手掛かりがあると良いのですが」
「こんな石ころだらけの場所に…… ?」
ベゼドラが何かを見つけたのか。
スタスタと足早に、建物の入り口だったと思しき場所へ近寄る。
自分もふらふらと立ち上がり、彼の背中を追う。
ベゼドラがじぃっと見ているのは……
低い階段の上に崩れ落ちた、壁画?
「なんか、見覚えあるんだよな」
アリア信仰の物ではない、放射線を放つ丸い何かを掲げた……
手のひら?
いや、翼か。
初めて見るモチーフだ。
「貴
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