始まりと終わりの地
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ルグレットさんはトンッと地面を蹴って近くの木に飛び乗り
「俺は此処までだ。精々頑張るんだな」
そのまま街へ引き返した。
あ。お礼を言い損ねてしまった。私達に感謝されても嬉しくはないか。
「何か、アリアに関する手掛かりが在ると良いのですが」
「こんな石ころだらけの場所に…… ?」
ベゼドラが何かを見付けたのか、早足で神殿の入り口階段らしい所へ近寄った。
自分もふらふらと立ち上がり、彼を追う。
ベゼドラがじっと見ているのは……崩れ落ちた神殿の壁画?
「……なんか、見覚えあるんだよな」
アリア信仰の物ではない。放射線を放つ丸を掲げた……手のひら? 翼? 初めて見るモチーフだ。
「なら、神代の物なのは間違いないですね。アリアとして生きた時代に活用されていた、女神信仰とは別の神殿でしょうか」
名乗りを上げたと言うから、女神信仰原始の神殿かと思っていたが。少し違うようだ。
ルグレットさんの話から推測できるのは、自らの死を願っていたアリアがこの場所で別人になり、さ迷っている間に私と出逢ってロザリアになった……という事。この場所で死にたかったのか、それとも……此処からやり直したかった?
なんにせよ、アリアに深く関わってはいそうだ。
「この神殿、あの村から丁度東に位置してないか」
「……そう……ですね。多分」
内ポケットから袋を取り出して、中に入っていた小さな水色の宝石を手に乗せてみる。
真っ直ぐ東に伸びた光を辿っている途中、少し逸れた場所で一瞬だけアリアに会えたけれど……。
「もう一度光ってくれれば、確認できるのですが」
「……奥に入ってみるか」
階段を上って散らばる太い柱や壁を跳び越え、ひょいひょいと進んで行く。
あ、言い出す前に行ってしまった。
……仕方ない。歩けそうな場所を探しながら自力で付いて行こう。
本がお荷物です。こんな時くらいは貴方が持ってください、ベゼドラ。
それにしても大きな神殿だ。殆ど風化しているとはいえ、こんな建物が在るとは聞いた覚えがない。
私が預かっていた教区の隣の筈なんですが……勉強不足でしたかね?
「……此処は……」
崩れた柱や壁が、其処だけを避けたように丸くぽっかりと開いた空間。中心にベゼドラが立って足下を見ている。
「ロザリアが立っていた場所、でしょうか」
アリアが記憶を失い、別人として始まった場所。神殿の中心。ひび割れた石床には翼の紋様が描かれている。
「神々の神殿」
「?」
「翼は神の力の象徴。だったら、翼の絵は神々を表す記号だろ?」
「……なるほど」
やはり、此処はアリア以前の信仰の地。
今は世界を離れているという神々を祀る神殿か。
「思い出した。あれは英雄の剣だ」
「魔王を異空間に飛
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