ゼロの使い魔編
第十五章 忘却の夢迷宮
第七話 笑顔という仮面
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風石”と似たようなものか?」
「そうなのね! “風石”が風の力が集まったものなら、“火石”は火の力が集まったものなのね! でも、普通は“火石”が爆発するなんてありえないのねっ! 一体どういうことなのねっ!」
士郎の質問に答えながらも、シルフィードは段々と収束を始めた火の玉へと目掛け飛んでいく。発生した際に比べ、半分近くまで小さくなってはいたが、それでも距離が離れているにも関わらず、大火の間近にいるかのような熱波が感じられた。そんな中、視線鋭く火の玉を睨みつけていた。
いや、正確にはその付近を飛んでいる―――。
「―――あと一撃分は保つか」
ポツリと呟いた士郎は、空に浮く炎の向こう。
この特級の災害の原因であろうフリゲート艦を睨みつけた。
正確にはその甲板に見える、敵の姿を。
「……やはり、ミョズニトニルン」
フリゲート艦の甲板に、よろめきながら立ち上がる既に見慣れた女の姿を捕らえた。
ガーゴイルを破壊した矢は、あと一撃だけならば耐えられる。
次弾を防ぐため、その一撃で―――そう、士郎が考えた時、甲板の上にありえない者の姿を見た。
「―――っ!?」
「なに?」
「きゅい?」
ミョズニトニルンの傍にトリステインに居るはずのアンリエッタの姿を見つけた士郎は、その周囲を取り囲むガーゴイルを見て取ると同時に矢の狙いを変更した。
士郎の意を受け取った赤原猟犬は、残る僅かな魔力で進路を変更し、アンリエッタの周囲を取り囲んでいたガーゴイルを砕くと同時に力尽き霧のように消え去った。
突然の襲撃に、ミョズニトニルンは即座に主であるジョゼフを守るためフリゲート艦に搭載されていたガーゴイルたちを迎撃に向かわせる。“神の頭脳”と謳われた全てのマジックアイテムを使いこなすミョズニトニルンの力により、能力の限界まで引き出されたガーゴイルたちが一斉にシルフィードへ向かって矢のように突き進む。
瞬く間に近づいてくるガーゴイルを前に、士郎はシルフィードの背の上で立ち上がる。
「ここまででいい。後は任せて下がっててくれ」
「なに、を?」
士郎の言葉にタバサが慌てて背後を見ようとするが、それよりも早く士郎は空へと向かって身体を躍らせていた。
「シロ―――」
―――ウ、と名前を言い切る前に空へと飛び出した士郎は、シルフィードの眼前にまで迫っていたガーゴイルの上に降り立った。
頭上からの衝撃に、ガーゴイルはガクンと高度を下げるが、直ぐに背中の翼を羽ばたかせ高度を上げる。その動きに合わせ士郎は“強化”した脚部で足蹴にしたガーゴイルの頭部を強かに踏みつけ飛び上がった。
通常時でも敷石を軽く破壊する士郎の震脚じみた踏み込みにより、頭部を破裂する勢いで破壊されたガー
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