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剣の丘に花は咲く 
ゼロの使い魔編
第十五章 忘却の夢迷宮
第七話 笑顔という仮面
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掴めず戸惑った様子を見せるタバサへと駆けていく。

「伏せろッ!!」

 タバサを抱えながら、飛び込むように祭壇の上に身体を投げ士郎は叫ぶ。
 その声に反応したのは何万もの兵士がいる中、僅か十人にも満たなかった。
 突然の状況に判断がつかず騒然とする周囲の中、数秒後、凛と士郎の予感が正しかった事が証明される。

「「「「――――――ッッ!!!!????」」」」

 何千、何万もの驚愕の声が押しつぶされる。
 物理的にも、精神的にも。
 北東の空に突如現れた巨大な炎の玉。
 遠く離れた空に出現したにも関わらず、その威様と発生した爆音と衝撃にガリアとロマリアの両軍全てが強制的に地面へと押しつぶされる。
 押し倒したタバサを熱と衝撃から守りながら、士郎は肩越しに細めた目で全長十キロにも及ぶだろう巨大な炎の玉を確認した。
 
「くそっ―――冗談じゃないぞっ!?」

 下手しなくとも戦術核並の威力だ。
 もしもあれが軍の中心で出現していれば、あの一発で全滅していた。
 あの一発で最後等と都合のいい考えが出来る筈がない。
 二発目が来る前に早急に対応しなければならない。
 その為には―――。

「―――シルフィードッ」
「タバサっ?!」

 腕立て伏せをするような姿勢で肩越しに背後―――今も轟々と燃える火の玉を見つめていた士郎の下から、タバサの鋭い声が上がった。
 士郎の下から這い出たタバサは、上空から降りてくる青い影―――タバサの使い魔であるシルフィードに向かって手を伸ばし、立ち上がろうとする士郎へと目配せした。
 シルフィードは主であるタバサの意図を得ると、士郎とタバサの身体を掴み空へと舞い上がった。

「っく―――タバサッ、何をして―――」
「何処?」
「なに?」

 シルフィードの手の内から背へと移動した士郎が、前に跨るタバサの肩を掴もうと手を伸ばそうとする。それを遮るように、タバサが士郎に振り返り指示を仰いできた。

「何処に向かえばいい?」
「ちぃっ―――東北だ。そこに船がある」
 
 タバサを下ろすためかどうか逡巡する士郎だが、そんな時間はないと断じ東北を指差す。士郎の指示に従いシルフィードが東方の空へと向かう。

「しかし一体あれは何なんだ? まるで小型の太陽―――効果範囲も威力も桁違いにも程があるぞ」

 士郎のその愚痴にも似たその言葉に応えたのは、以外にもタバサではなくシルフィードだった。

「きゅい! あれは精霊の力の開放なのねっ! おそらく“火石”が爆発したのね! あれだけの火が集められた“火石”が爆発したら、手も足も出ないのねっ!! 終わりなのねっ!」

 きゅいきゅいと悲鳴混じりの声で説明するシルフィード。

「ひせき―――“火石”か。それは“
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